11月30日(木)5限の「教育探究Ⅰ」の時間に、「教育アンビシャスコース」の2年6組の生徒たちは、京都大学学びコーディネーターによる出前授業を受講しました。

 「学びコーディネーター事業」とは、京都大学が高大接続・高大連携活動の一環として、高校生を対象に大学院生等(学びコーディネーター)の方々が、ご自身の研究をもとに出前授業をされている事業です。将来教員を目指す「教育アンビシャスコース」の生徒たちには、物事の一面だけを捉えるのではなく、さまざまな視点から物事を考え、その本質がどこにあるのかを見極める力や自分の考えを論理的に組み立て伝える力が必要だと日頃から考えており、この「学びコーディネーター事業」の「Thinking about Critical Thinking ー 批判的思考入門」の授業を受講することで、柔軟な思考力を養うきっかけにしたいと考えました。

 当日は、京都大学教育学研究科 教育認知心理学専攻 博士後期課程2回生の阿部由香梨先生に来校いただき、阿部先生ご自身の紹介をしていただいた後、「6」の数字が反対側に立つ人から見ると「9」に見え、横から見ると「の」の字にも見えるということから、ある漫画の主人公『久能整』が言う「真実は人の数だけあるんですよ」という台詞と共にクリティカルシンキングについて説明していただきました。生徒たちは、前のめりになって先生の話に耳を傾けていましたが、クリティカルシンキングの定義については少し難しく感じたようで、クリティカルに考える練習を始めた最初は、なかなか意見を出すことができませんでした。阿部先生からいくつか例を挙げて説明していただいた後は、活発に意見が飛び交うようになり、他の人の考えから新たな気づきも生まれました。生徒たちが「スキルを少し身につけられたかな」と思った頃に授業が終わってしまったので、生徒たちはとても残念そうでした。「小学生の頃はいろいろなことに『なぜ?』と疑問を感じ、口々に発言できていたのに、中学、高校と進むうちに『なぜ?』と言えなくなっている。その疑問に思う気持ちをずっと忘れないことが大切」と阿部先生がおっしゃった言葉は、生徒たちの心に深く響き、「自分自身も探究心を持ち続け、自分が教師になった時、「なぜ?」の心を忘れない子どもたちを育てていきたい」や、「誰もが発言しやすい環境を作り、子どもたちが多くの視点をもつような授業をしていきたい」など、受講後の生徒たちには多くの目標ができました。