2018年(平成30年)4月13日(金)、入学後間もない1年生を対象とした伝統行事、高取城址散策を実施しました。学校から高取城址までの道のりを歩いて往復することで、集団行動の規律や秩序を遵守する態度を養うとともに、高取国際高校の一員として級友や教師との人間関係を築き、集団としての一体感を培うことを目的としています。また、途中には土佐街道などの歴史的な町並みがあり、豊かな自然も残っています。これから3年間を過ごす地元高取町の歴史や自然に親しむことで、地域に根ざした学校の一員である自覚を育てることも大切な目的です。

校長から激励を兼ねた挨拶 同じく学年主任から 学年主任を先頭に1組から出発

 散策が行われた日は終日好天に恵まれました。気温もさほど上がらず、適度に風もあり、散策にはもってこいの一日でした。とはいうものの、急峻な山道を登るのは骨が折れます。日頃あまり運動をしていない人は、かなり辛く感じたことでしょう。ただ、一人で黙々と登るのではなく、互いに励まし合い、声を掛け合いながら登ると、その辛さも幾分か和らぎます。汗をかきながら息を切らしてたどり着いた頂上から見る景色は、何ともいえないものだと思います。そこで友達と食べる食事もまた格別の味だったことでしょう。入学直後に行ったこの行事をきっかけとして、これからの3カ年を強固な絆で歩んでいってほしいと思います。

土佐街道と呼ばれる町並みを歩きます 城下町の面影を色濃く残しています すがすがしい新緑の中を歩きます
見事な石垣を見ながら 頂上で昼食 一気に親睦が深まりました 学年集団で集合写真

 ところで、高取城は「日本三大山城」の一つに数えられる、高取町が誇る史跡です。規模では日本最大を誇ります。その起源は古く、14世紀の南北朝時代にさかのぼります。その後、室町時代から戦国乱世を経て、江戸時代に至るまで、城主は何度か変わりましたが、落城したことはありません。幕末に起こった天誅組の変の時も、激しい攻撃を受けながらも、これを退けています。残念ながら建物は明治の廃城令で失われましたが、その守りの要となった見事な石垣は往事のままの姿で残っています。

しばらく休憩をしてから下山を始めます 気分もすがすがしくなります 麓の公園で再集合 お疲れさまでした

 1年生の皆さん、実際にあの石垣を目の当たりにして何を感じましたか。世に名城と呼ばれる城を言うとき、よく難攻不落という表現を聞きます。あの石垣を見れば、確かに「攻めるに難く落ちず」だと実感することでしょう。しかし、守るのは石垣ではなく人です。いくらすばらしい石垣を築いても、守る人々の心に問題があれば、城は容易に落ちてしまうことでしょう。要はそれを活かすのは人だと言うことです。皆さんの気持ちを一つにして、強い絆で結ばれた学年集団という石垣をしっかり築ける三年間にしてください。