第3学期始業式

学校長式辞
 寒い中、みんなよく来てくれました。本来なら、年始の挨拶をするところですが、年始に大きな災害がありましたので、控えておこうと思います。今もがれきの中から救助されている人がいます。被災された方々には心からお見舞い申し上げたいと思います。
 皆さんはまだ生まれていなかったかもしれませんが、関西でも、阪神・淡路大震災が29年前に起こりました。どこで災害が起こるかわからないので日ごろからどうやって避難するのか考えておいてください。
 今年は辰年ですが、「画龍点睛」という故事成語があることは、みなさんもよく知っていると思います。昔の中国、今でいう南京市に安楽寺というお寺があります。時の皇帝が画家を招いて、寺の壁に4頭の竜の絵を描かせました。その竜は生き生きとしており、今にも動き出しそうでしたが、瞳が描かれていません。みなが画家に、どうして瞳を入れないのかと尋ねると「もし、瞳を入れると空高く飛んでいってしまうから」と答えました。それを聞いた人々は信じなかったので、画家がやむを得ず四頭のうち、二頭だけ眼を描き入れたところ、その二頭は天高く空を昇っていってしまい、今では残りの二頭の竜の絵が寺の壁に残っているそうです。「画竜点睛」とは、物事を完成させるために必要な最後の仕上げのことを言います。皆さんも3学期は1年間の総仕上げ、卒業予定者は高校生活の総仕上げになります。自分の竜にしっかり瞳を入れられるような3学期にしてください。

生徒指導部長講話
 みなさんは、年末年始はどのように過ごされましたか。ゆっくり休めましたか。新年にあたり今年の目標や抱負を考えることはできましたか。
 令和6年のスタートは、元日には能登半島地震、2日には羽田空港の滑走路で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突する事故があり、波乱の幕開けとなりました。多くの人が亡くなり、未だ安否不明の方も多くいます。亡くなられた方々にご冥福をお祈り申し上げますとともに、そのご家族や被災された方々に、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 震災などの異常事態が起こった際、自身の心の平静に保つために「正常性バイアス」という心理が働くと言われています。地震発生の際、7秒で生死が分かれるとも言われます。「正常性バイアス」がかかることも知りつつ、避難も考える冷静な判断が必要とされます。そのためには日頃から地震に対する危機意識をもつことが大切なのではないでしょうか。
 また、能登半島地震を巡り、SNS上で偽情報が拡散していました。情報の信憑性については、日頃から見極める力を養うことが大切だと思います。また、虚偽情報を流す側には絶対にならないでほしいと思います。
 明日から個人面談期間があります。不安なこと心配なことがある人は担任の先生に相談しましょう。