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                                                                              平成30年4月
                                                                      奈良県立畝傍高等学校
                                                                        学校長 河合 保秀

                                                                                                                               

 本校のホームページをご覧いただきありがとうございます。浅田校長先生の後任として、4月に本校に着任いたしました。      
 本校は、明治29年、奈良県尋常中学校畝傍分校として開校され、今年で創立122年目を迎える歴史と伝統のある高等学校であり、「至誠 至善 堅忍 力行」の校訓の下、各界に有為の人材を多数輩出してきました。卒業生や地域の方からも畝高(うねこう)として親しまれています。
 また、昭和8年完成の本館は、平成24年、文化庁により登録有形文化財に登録され、昭和初期を代表する歴史的建造物で、教職員はじめ生徒は、日々重厚な学舎を大切にしています。
 平成26年度からは文部科学省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受け、世界を舞台に活躍できる創造的で活力のある生徒の育成を本校教育の一つの大きな柱として取り組んでいます。

 さて、4月10日の入学式には、全日制課程400名、定時制課程13名を迎え、本年度がスタートしました。入学式では、新入生に次の三つの話をしました。
 一つ目は、「高い志をもって、挑戦し続けてほしい」ということです。
 変化の激しい時代を力強く生き抜くために、その基盤となる力を身につけてもらいたいと考えています。社会情勢に興味をもち、広い視野で物事をとらえるとともに、何事に対しても臆することなくチャレンジすることで、自分の進むべき道を拓いてもらいたいと思います。
 二つ目は、「出会いを大切にしてほしい」ということです。
 本校での新たな友との出会いを大切にして、友情を深め、人間性を高め合ってもらいたい。スポーツや文化・芸術に熱中するとともに、人生を語り合える、かけがえのない友を得てほしいと思います。勉強のこと、人間関係のことなど、壁にぶつかり、悩むことがあっても互いに支え合って乗り越えてほしい。そうすると、その先には、それぞれの新しい自分を発見できるでしょう。
 三つ目は、校訓の「至誠、至善、堅忍、力行」についてです。
 校訓の意味は、「至誠至善とは、心の誠実さ、人としての善良さを、何物にもまして、大切にしようとすること。堅忍力行とは、目標が達成されることを信じて、粘り強く努力し続けること。」です。
 この校訓は、時代を超えて今もなお脈々と受け継がれ、本校卒業生の心の糧となっているもので、日々の学校生活の拠り所としてほしいと思います。
                             
 また、在校生には、始業式では、『論語』の「これを知る者は、これを好む者に如(し)かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如(し)かず。」を引用し、学習活動や仕事をする状態について話しました。
 「知る」は知識や技術の基礎基本の習得を、どちらかと言えば義務的にすること、そこに積極的な気持ちによって学ぼうとする意思がはたらくと「好む」状態になります。さらに、「学ぶ喜びを味わい、学ばずにはいられない」という意識がはたらいたときに、「楽しむ」という段階に至るのではないかと思うのです。
  自分自身は「知る」「好む」「楽しむ」のどの段階なのかを自問しながら、「高い理想と志をもち、確かな自己を確立させる基盤を高校時代につくってほしい」。そして「高い次元に身を置いて学んでほしい」ということを生徒たちにも述べました。

 本校は、SGHの取組など、新たな歴史を刻み始めています。私も校長として、これまでの伝統に学びながら、新たなの歴史を創造していく所存です。今後とも皆様のご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

 

1学期終業式より

平成30年7月20日

 まず、はじめに、6月18日に発生した大阪北部地震、そして7月入ってからの西日本豪雨によってお亡くなりになられた方、被害に遭われた方に対し、皆さんとともに心よりお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
 岡山県や広島県の小中高校で30数校は、学校の授業再開が果たせないまま、夏休みに入るところもあるようです。一日も早い復旧復興を祈るばかりです。
 私たちは今回の災害を通して、自然の力の大きさ、自然災害を予測することの難しさ、いざというときのより適切な対応はどうあるべきかということを考えさせられました。改めて、携帯電話の機能が果たせなくなったとき、家族との連絡の取り方、学校との連絡の取り方など、確認をしておいてほしいと思います。

 さて、この一学期、皆さん自身にとっての成果がありましたか。
 一年生は高校生活に慣れましたか。2年生は先輩が部活動を引退し、新しい体制になり、その礎は築きつつあるでしょうか。3年生は、部活動を引退後、これまでの生活リズムをうまくかえられましたか。自己点検をしておいてください。
 奈良県の高等学校を見たとき、この一学期には皆さんも承知の通り、6月に「県立高校適正化実施計画」が発表されました。
 もともと、本県の中学卒業生の増加に対応するため、県立高校は昭和49年から62年の間、普通科高校を19校新設し、平成15年までは43校の県立高校がありました。ところが、中学卒業者数は平成元年をピークに、今後平成36年度以降は、ピーク時の半数を割ることから、平成16年から20年にかけて、県立高校を33校とする高校再編が行われました。そして今回、33校から30校とする実施計画が発表されたわけです。皆さんたちの間でも、このことは話題になっていると思います。本校は直接関係がないといえばないのですが、本校も平成16年(今から14年前)に耳成高校と統合した歴史があります。当時皆さんは二歳、三歳のころですから記憶もないし、実感もないでしょう。私はその頃、県教育委員会におりましたので、教育委員会棟の廊下に耳成高校の保護者の方が、統合反対ということで並ばれたのを鮮明に覚えています。本校もそうした歴史を経て今があるということ、当時の耳成高校生がどんな思いで母校を卒業していったのかということを、皆さんも改めて考えてほしいという思いで、今話をしています。結果として、畝傍高校の校名はそのまま、校訓、校歌もそのまま、校章が少し変わりました。その変遷は校門入ったところの創立120周年記念碑に刻まれていますので、確認してください。

 もう一つ、本校では、6月に入ってから、北館の屋上防水修繕等の工事が始まり、皆さんには何かと不便をかけています。工事終了まで、もうしばらく協力をお願いします。9月の文化祭には、校舎北側と西側の足場を撤去していただき、できる限り文化祭に支障の少ないようにとお願いをしているところです。工事に伴って、校舎前のアスファルトに合計40枚の鉄板が並べられています。この鉄板は、縞鋼板、チェッカープレートともいい、凹凸のある鉄板で、別名「すべらない鉄板」と私は呼んでいます。特に三年生の皆さんは心して「すべらない鉄板」の上を歩いておいてください。自転車通学の人も一度くらいは、通過しておくことをお勧めします。「すべらない鉄板」・・・文化祭前には撤去されます。

 明日からは、一応夏休みです。
 「本気の夏、100回目」・・・すでに承知のことと思いますが、甲子園で繰り広げられる全国高等学校野球選手権大会は今年100回の記念大会となります。現在、奈良県予選が行われていますが、本校野球部は先日、初戦を突破し、22日、3回戦で天理と戦うことになっています。「本気の夏、本気の畝傍」に期待したい。
 冒頭、話をした西日本を中心とした豪雨災害で延期をされていた広島大会も、全国でもっとも遅く、17日に開幕した。当初予定されていたマツダスタジアムでの88校が集まる総合開会式はなく、第1試合の2校だけによる開会式でスタートしました。16校は校舎やグランドに土砂が流入する被害があったようです。
 その中で、選手宣誓をした安芸南高校の主将は、中学の時の友人が今も行方不明。友人を捜すために土砂をかき分けていたと言います。すでに決めていた選手宣誓文を書き換え、当日に臨んだようです。

 その様子をニュースで知り、私は感動しました。省略しながらですが、一部を紹介します。
 「7月6日、記録的な豪雨が西日本を襲いました。多くの命が失われ、今も被 災されている方々もいます。・・・私の地元は広島市安芸区矢野です。7日の朝、 私が見た景色、矢野が矢野でなくなったように感じました。
 とにかく行動せずにはいられませんでした。その中でどうにもならない無力感 を感じました。今なお困難な状況にある仲間もいます。(中略)
 そして最後に、(中略)私たちを支えてくれたすべての人々への感謝を胸に、が むしゃらにプレーすることを誓います。」と、結んでいます。

 「本気の夏、100回目」は第100回全国高校野球選手権記念大会のキャッチフレーズコンクール(朝日新聞社、朝日放送主催、日本高野連後援)が行われ、全国の高校生から1万1565点の応募があり、その中でグランプリに輝いた作品です。第100回にちなんで、グランプリ1つ優秀賞99点が選ばれました。
 「本気の夏」は、高校野球だけではありません。君たち一人一人にとって、本気の夏を過ごしてもらいたい。一年生は一年生としての、二年生は二年生としての夏休みの意義があります。その意義は自分自身で創造(クリエイト)しなければなりません。
 3年生は「本気の夏、待ったなしの夏」です。頑張ってください。
 キャッチフレーズコンテストで優秀賞になった作品の中からも、すばらしいものがありました。
 みなさんにそのキャッチフレーズを3つ伝えて、私の話を終わります。
    「この夏だけは負けられない。」
  「たどりつきたい夏がある」
    「繋いできた夢、その先へ」

 

2学期始業式より

平成30年9月3日

 今年の夏は、これまで私たちが体験をしたことのない暑い日が続きました。中には熱中症のような症状になったという人もいましたが、重篤な症状には至らず、また大きな事故もなく、こうして皆さんとともに2学期迎えられたことをうれしく思います。
 私は、1学期の終業式で、皆さん一人一人が「本気の夏」を過ごしてもらいたいという話をしました。皆さんにとって、この夏、「本気の夏」になりましたか。成果はあがりましたか・・・。まだ成果としては現れていないけれども、順調に乗り切ることができた、また、毎日を事故なく過ごすことができたといった何気ない積み重ねも成果であると思っています。

 「本気の○○」はどんなことにもつながります。本気の2学期、本気の部活動・・・本気の受験勉強、本気の授業態度・・・本気の自分の人生。本気でない自分の人生って考えられません。無意識であっても誰もが本気で生きているんです。ただ、「本気」ということを考えたとき、私は二つの要素が不可欠だ思っています。一つは「覚悟があるかどうか」です。「覚悟」といえば、「命がけ」のように感じるかもしれませんが、そうではなく、何かを犠牲にする勇気があるかどうかです。自分の自由な時間、友達と遊んだり、メールをしたりする時間、スマホゲームをする時間などを減らす、なくすなどの勇気が必要です。また、うまくいかなかったときに、人のせいにしないという覚悟も必要でしょう。
 もう一つの大切な要素は、「真摯さがあるかどうか」です。約10年近く前、オーストリア出身の経営学者のピーター・F・ドラッカーの「マネジメント」という著書が日本でブームとなりました。その中では、「マネジャー(監督、管理人)に必要な資質は一つある。それは才能ではなく、真摯さである。」と述べています。私自身も大いに共感するところがありました。自分の人生を管理するのは自分自身です。そう考えると、すべての人に必要な資質は真摯さであると言えるのかもしれません。「真摯さ」とは、「一貫した正直さ、一貫した誠実さ」だと考えています。その中には「他者からの話を聞くことができる素直な態度」も含まれています。本気でことに臨んでいるのか、自分は「覚悟」と「真摯さ」を備えているのか、自己点検することも時には必要です。

 さて、間近に文化祭「畝高祭」が近づいてきました。夏休み中から各学級でその準備に取り組む姿が日増しに伺えるようになっています。皆さんは、それぞれ目的をもって本校に入学してきました。畝傍高校という集団で、様々なことを学ぼうと入学してきたのです。集団での重要なことは、集団の一員として責任を果たすこと、集団に貢献することではないかと思っています。それが大前提で、自己実現に向けて努力することが求められるのです。貢献をすると言ってもたいそうに考える必要はありません。掃除当番が回ってくれば、きっちりと掃除をすること。学級全体のムードを下げるような言動をしないということも責任を果たし、貢献していることになります。また、様々な性格の人間が集まっていることを理解し、きまじめさを揶揄しないことが大原則です。「畝高祭」を前に、各クラスの一員であることを意識した取組を示してもらうことを期待しています。

 話は変わりますが、平成26年に文部科学省の指定をうけたSGHの取組も一応、本年度で終了することになります。5年間の取組の中で、グローバル科目の履修、未来創造会議などの取組をとおして、卒業生も含めて、主体的に考える力が身についてきた、積極性が出てきた、グローバルな視点で物事を考えられるようになった。プレゼン力が高まったなどの成果が上がっています。来年度以降、SGH事業が国の方でどのようなるかは今も明らかにはなっていない状況にあります。そうした状況やこれまでの成果を鑑みながら、来年度からのカリキュラム(授業の持ち方等)をすべての先生方と考えてきました。
 本校が目指す教育、期待される教育は「これからの社会をリードする人づくり」だと考えています。グローバルな視野をもち、国際社会の発展を牽引するための使命感や人権感覚、想像力、実行力を備えたリーダーへと成長してもらいたい。ここで言うリーダーは、文系でも理系でも、進む分野は皆さんの希望によるものです。また、海外留学、研修もこれまでの成果を引き継ぎたいと思っています。詳しくは2年生、1年生対象のコース選択説明会で聞いてください。
 私からは大きな変更点を伝えます。
 今年度は50分の6時間授業、土曜授業を含めて合計32コマの授業を行ってきました。来年度からは土曜授業をなくします。そして、45分の7限授業にします。ただし、水曜日は45分の6時間で、週34コマとなります。本日、このことを説明した保護者の方あての文章を配布します。

 最後に、本気の受験勉強に臨んでいる皆さんに、伝えておきたいことがあります。これまで皆さんは、SGHの取組をとおして課題研究の学習に取り組んできました。その中で、クリティカルシンキングという言葉を聞いたことがあるでしょう。批判的思考力。ものごとが本当にそれでいいの? もっとよい方法はないの? もっと深く考えなくてもいいの? 疑って考えることから始めるという態度の大切さを学んできたのではないでしょうか。ならば、自分を疑ってみてください。普通は間違わないようにしようと思って勉強していますが、自分を疑って、必ず間違うのだという考え方をしてみる。そうすると過去に間違ったところははっきりしているでしょう。だから、二度と間違わないと自信がもてるまで勉強をすることです。今まで皆さんは間違ったところ、それらがすべて宝物です。間違わないようになれば、必ず点数アップにつながります。がんばってください。皆さんにとって、実り多い、成果があがる2学期してくれることを期待しています。
 先ほどのドラッカーの言葉です。
 「成果をあげる人とあげない人の差は、才能ではない。
 いくつかの習慣的な姿勢と、基礎的な方法を身につけているかどうかの問題である。」