「問い」づくりから始まった「探究基礎」。

 1学期の最後には、他者に伝えるための「説明の型」「書き方の型」を学び、最後には実際に型を使って文章を書いてみました。 「伝わらない」「書けない」という経験から、何が必要でどのようにすれば書けるのか、生徒たち自身で学んでいます。

 まず「国旗」を用いて「説明の型」を学びました。ペアになり一人だけがある国旗を見て、それがどんな国旗なのかを相手に描写(説明)し、もう一人が聞いた情報だけで絵に描き起こしました。国旗の意匠が複雑な場合はなかなか思ったように伝わらなかったり、伝えるのに時間がかかったりして、苦戦しているペアもありました。試行錯誤の末、うまく相手に伝えるためには、どのような要素をどの順番で伝えることが必要であるかに気づいたようです。また、「長方形」といっても、縦長のものもあれば横長のものもあります。このように、一つの事柄について、それで伝わると自分が思い込んでしまっていることへの気づきもありました。

 続いて、「書き方」です。駄菓子屋さんにチョコレートをおいてもらうためには、どんな文章を使って交渉すればいいか、営業職に就いたつもりで考えてみました。「国旗」描写で学んだことを活かしながら、①全体像を示した上で②自分の意見に対する根拠を示し③因果関係を明確にするなど、論理的な展開が必要だという発見にたどり着くまでには、時間がかかりました。

 最後には、また新たなミッションが課せられました。駄菓子屋さんにチョコレートを置いてもらえることが決まった後、今度はそこを訪れる小学生に興味をもってもらえるような仕掛けを作るのです。チョコレートのパッケージにはどんな説明文を載せたら良いでしょう。人に納得してもらい、行動を起こしてもらう文章には、どのような要素が必要か、それぞれが知恵を絞って文章を書いてみました。ワークシートを用いて丁寧に考えを整理していった結果、説明文を書く際には、根拠をもって説得力のあるものにしなければならないということに改めて気がついた様子でした。

どの時間にも、個人で取り組んだ後にペアで考えを共有し、再度個人で考えを深めることによって、さらに深い学びになるというステップを踏んでいます。

このような流れを大切にしながら、また2学期へと展開を続けていきます。