5月21日(水)、高校1年生を対象に、御所市企画政策部の三井秀樹様をお招きして、『「御所市のまちづくりと課題」について』の統合科学講演会を実施しました。人口が減少している御所市ですが、過疎地帯と国から認定を受け、補助金を得られるようになり、それをチャンスととらえて様々な方法で市内を活気づけ、誰にとっても住みやすい場所にしようとされました。しかし、市民サービスの充実の代わりに別の問題に直面することになります。例えば、市役所での手続きや相談先等の情報が書かれた広報誌を、自治会や町内会に配る形から、HPや公式LINEで見られるようにしました。すると、若い人を中心に自治会を退会する人が続出するという新たな問題が生まれました。また、ごみの収集をコンテナに入れておけば回収してくれたり、リクエストを受けたゴミを取りに来てくれたりするように便利にした結果、高齢者も自治会を退会し始めました。地域内公共交通をより便利にするために、コミュニティバスを北部に集中させ、南部はデマンドタクシーを利用できるようにしました。それにより、今までは地域内の助け合いでなりたっていたコミュニティがなくなってしまいました。自治会や地域のコミュニティがなくなることで、地域の共助能力が失われてしまい、災害時に大きなリスクをはらんでしまいます。このように、より良い暮らしを目指す中で、時に思わぬ結果をもたらすことがあります。生徒たちも将来、様々な困難に直面し、それを改善する時、今回の講演会を思い出し、より広い視点を持ってくれることを期待します。三井様、この度はありがとうございました。