2022年8月4日(木)・5日(金)、本校の海外派遣事業代替プログラム「国際交流サマーキャンプ」が開催されました。コロナ禍で姉妹校派遣事業や海外研修等が中止される中、国際交流の機会を絶やさないように、本校国際交流ホールにて、感染防止対策を徹底した上で実施しました。

 

「国際交流サマーキャンプ ~世界とつながる2日間~」と題し、高大連携協定を結ぶ天理大学さん、地域連携協定を結ぶ高取町さん、明日香村さんのご協力で、実現できました。本校生徒22名、地域の中学生3名、天理大学のサポート留学生9名、本校の関係者であるネイティブスピーカー1名が参加しました。本校生徒の中には、アルゼンチンとアメリカからの留学生も含まれていました。サポート留学生の出身国はさまざまで、ベトナム、インドネシア、ニュージーランド、アメリカ、ブラジル、ロシア、ウクライナと国際色豊かで、まさに「多様性」を象徴するイベントとなりました。イベントの様子をお伝えします。

 

8月4日(木)1日目

(1)オープニング

天理大学のサポート留学生の入場です。司会進行は、本校ALTが英語で務めます。

高取国際高等学校の紹介は、ESS部の3年生が行ってくれました。

(2)お互いを知ろう

自己紹介アクティビティの後、各グループに分かれます。「どんなメンバーかな」とワクワク。本校生も学年を超えて、初対面のメンバーです。

各グループには1人のサポート留学生がつき、お互いに自己紹介をしました。”2 truths and 1 lie”のゲーム(自分に関する英文を3つ言って、嘘一つを当てる)を行い、グループメンバーのことを少しずつ知ることができました。サポート留学生が出身国の紹介やその国の言語(あいさつ等)について紹介をし、世界の様々な国について知る機会となりました。

参加生徒たちは真剣で澄んだ眼差しで、留学生の紹介に聞き入っていました。出身国のことを話す留学生もとても活き活きした表情だったのが印象的でした。

 

(3)世界の遊び・ダンス

世界各国で親しまれている「ドミノ倒し」というゲームを楽しみました。限られた時間の中で、どれだけ凝った形にできるかドキドキしながら一生懸命並べていました。

また、特に欧米のスクールディスコで踊られている「マカレナダンス」に挑戦しました。お互い体の動きを教え合っている姿も。スクリーンに映し出されたモデルダンサーの動きに合わせようとして、笑いが起こっていました。

 

(4)二胡演奏・二胡体験

午後からは、二胡奏者の林宏美先生と蘇楽二胡教室のメンバーによる二胡演奏を聞きました。二胡は中国の楽器で、バイオリンの親戚と言われているそうです。二胡の優しい音色にみなさん聞き入っていました。

二胡体験では、二胡1台を2、3人のグループで演奏する練習をしました。各グループに二胡の先生が来てくださり、二胡の弾き方について教えていただきました。先生方のすばらしいご指導のおかげで、体験の最後には「キラキラ星」と「ちょうちょ」を演奏できるようになりました。二胡をなかなか触る機会がないので、非常に貴重な体験となりました。

 

(5)コンセンサス・ゲーム

1日目の最後は、コンセンサスゲーム「月面でのサバイバル」(別名NASAゲーム)です。各グループ内で意見を出し合って月面で生き残るのに必要なアイテムの順番を決めました。答え合わせ(NASA)では、会場から「え~」という声が聞こえて来ていました。難しかったかな。

8月5日(金)2日目

(1)お互いを知ろう

新しいグループをつくり、自己紹介から始まります。前日とは別の留学生の出身国紹介を通して、さらに世界への関心が広がりました。また、世界各国で行われているジャンケンの国による違いを発表し合いました。

 

(2)世界の遊び

アメリカ先住民族の遊び「スティックゲーム」にチャレンジしました。スティックの片面に絵を描き、スティックの出方(表と裏の組み合わせ)次第で豆(今回はおはじき)を取り合う遊びです。制限時間後に一番多くおはじきを持っていた人が勝ちです。おはじきをたくさん取れるように競い合っていました。このゲームのルールがわかりやすく、とても盛り上がっていました。

 

(3)文化の違い(マナー、ジェスチャー、おとぎ話など)

各グループが日本とそれぞれの国での文化の違いを発表します。あるグループは紙に書いて発表し、あるグループは劇をしたりして文化の違いを改めて認識することができました。ゴミの処理方法や交通法規の違い、食べ物や食事の仕方の違いなどが発表されました。活動前にはALTと教員による日欧文化融合劇「桃ずきんちゃん」も飛び出しました。

 

(4)伝統インド式ヨガ体験

今年度もヨガ講師のガーネッシュ・ギリ氏を迎え、インドのお話(○×クイズを含む)を聞き、ヨガ体験をしました。英語と日本語を交えた楽しい時間。「痛い、痛い」という悲鳴と「フ~~」という解放感の声が混じり合い、日常生活で硬くなった身体がほぐれ、スッキリすることができました。瞑想の時間では、インドの楽器が演奏され非日常を感じることができました。

   

(5)クロージング

色んなアクティビティ、ワークショップを通して多文化に触れ、とても楽しい時間を過ごすことができました。参加者は修了証を受け取りました。

 

イベント中は英語と日本語、その他の言語が混じり合い、自然で心地よい雰囲気が流れていました。休憩時間でもお互い話をしたり、ダンスやゲームの続きをしたり、自然な交流が生まれていました。

コロナ禍ではありますが、感染防止対策への参加者の徹底した協力があり、海外へ行くことなくリアルな国際交流ができました。世界の多様な文化に触れ、異なる背景をもつ相手とコミュニケーションをとることで、多様な価値観や文化を知ることができたのではないかと思います。参加者にとって、世界により目を向け、視野を広げる機会になったことを切に願います。

 

天理大学サポート留学生のみなさん、本当にありがとうございました。

今回の国際交流サマーキャンプは、コロナ禍でも国際理解の機会を絶やさないという私たちの強い想いを、高取国際高等学校育友会、日本教育公務員弘済会奈良支部の皆様がご支援くださいました。また、天理大学、高取町教育委員会、明日香村教育委員会、高取町立高取中学校、明日香村立聖徳中学校の皆様の多大なるご協力で実施することができました。

このイベントの実現に向けご尽力いただきましたすべてのみなさまに、心より感謝いたします。