13号(平成13年4月1日日曜日)


樫葉会とともに  樫葉会長 吉岡宏之

 私が生駒高校を卒業してから早くも35年が過ぎました。卒業と同時に、発足した樫葉会と同じ年月を重ねながら歩んでまいりましたが、自分自身が50を過ぎるようになり、若い頃よりもいっそうの思い入れを持つようになった気がいたします。
 苦楽をともにし、支えあってきた友のような親しみを覚え、人と人とのつながりの大切さをあらためて感じさせられる思いです。
 樫葉会にはさまざまな活動がありますが、中でも会報「けんよう」の発刊については多くの会員の皆様より好評を得てまいりました。実際、母校へのなつかしさはつのるものの、学校へ立ち寄る機会が少なくなっている方がほとんどの中で、手元に届く会報は、深い感慨を与えてきたことでしょう。
 しかし、この「けんよう」も今までとは形を変え、進み行く時代の中で、今後はインターネットによる配信を計画中です。
 一層の内容の充実とともに、ご期待にそえるものを作りたいと考えております。一方、このように同窓会について、あれこれと考えてまいりますと、先にも述べましたが人と人とのつながりがいかに人の心にうるおいを与え大切なものであるかということを痛感させられます。
 複雑多様に激しく変化する現代社会において、自分さえよければという身勝手な考えや行動が横行し、合理性のみが優先される状況は、たいへんなげかわしいことであり、将来への不安を増幅させています。
 人間関係が希薄になりがちな社会の中で、心あたたまる同窓会の存在というものは、大きな意義を持つといえるでしょう。樫葉会は、今後も、13,000余名に及ぶ同窓生が強い心のつながりを持てるような活動を続けてまいりたいと思います。
 会員の皆様方のご支援とご協力をよろしくお願いいたします。


生駒高校の近況あれこれ

 新体育館が6月に完成する。延べ面積は3,330㎡、鉄骨鉄筋コンクリート造、地上3階建で1階には部室が22室、2階が体育館フロアになる。バレーボールのコートが3面とれる大きさだ。完成後は、9月の文化祭で落成式を兼ねる予定である。来年の同窓会総会では中に入って見学してもらえるだろう。21ヶ月かかってようやく完成する新体育館に入れる日を、生徒も教師も心待ちにしている。


 25期生から13回続いたスキー修学旅行が、今年、海外に変わる。11月18日の朝日新聞でも紹介されたので御存知の方もいるだろう。10月下旬に4泊5日でシンガポール・マレーシア方面へ。観光だけでなく、異文化体験を中心に、多方面にわたっての学習を目標にして準備を進めている。


 視聴覚室にパソコンが44台入り、校内LANが2月に完成した。全校生徒分のメールアカウントも確保された。4月からは、奈良県民を対象にIT講習会も開かれる。


 国際交流の一環として、3月に17日間、イギリス校へ、6名が派遣される。今後も毎年1,2年生を対象に希望者を募る予定。


恩師からの便り  『人生はおもしろい』 藤村俊文 先生

 生駒高校を去って、はや9年の月日が流れました。
 転勤が決まった日は東京に出張中で、急遽奈良に戻るため乗った新幹線の中では、生徒とともに過ごした16年間の出来事が次々に思い出されて胸がつまりました。大学受験の結果に一喜一憂したこと、学習合宿で夜中まで勉強していた彼ら、早朝の補習、大晦日から元旦にかけてクラスの男子生徒と泊り込んだ樫葉会館での勉強会、日本一高いところにある駅をたずねた修学旅行、廊下に正座しドアの隙間から一生懸命黒板をのぞき込んでいた姿など、すべてが私の大切な思い出です。
 私は20台の後半から40台の前半までの日々を生駒高校ですごしたわけですが、その間多くの立派な先生方と知り合ったことも私の大きな財産です。私事で恐縮ですが、生涯の伴侶と出会ったのもこの生駒高校でした。
 今思い返してみても、現在の私を作ってくれたのが生駒高校でありました。
 私は夏目漱石の「草枕」が好きなのですが、その冒頭を少し変えてみました。『地に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくこの世は住みにくい。――でも人生はおもしろい。』と、最近つくづく思います。
 人生にはいい時も悪い時もありますが、希望を捨てず、人との出会いを大切にして頑張ってほしいと思います。
 私と同じ時を生駒高校で過ごし、そして母校を巣立っていった皆さんも立派な社会人になっていることと思います。これからも皆さんの人生が幸福でありますように心から祈っています。


事務局からのお知らせとお願い

 世の中は急速にIT化が進み、いまやインターネットは、主たる通信手段として一般社会にも定着しつつあります。樫葉会でも利便性に着目し、ホームページの開設を検討しています。
 今では、10,000通余りの会報を手作業で封筒に入れ、あて名シールを貼り、多額の費用をかけ郵送してきましたが、住所が不明で届けられない方も年々増え続けております。新しい情報とともに12号までの会報も載せる予定です。連絡が取れずにいた方や海外の会員の皆様にも、見て頂けるようになります。

アドレスは、
 
http://www.ikoma-h.ed.jp/
です。


 毎年、5月の第二日曜の母の日に行う総会の案内は、今年から4月29日前後の5大紙に掲載する予定です。昨年の総会案内も新聞に載せたのですが、見て頂けましたか。ほかにも、公共の宣伝機関を利用し、4月から総会当日にかけて、案内していくつもりです。


 生駒高校は2002年に40周年を迎えます。それにあわせて同窓会名簿を作成します。株式会社サラトと契約を結び、作業を始めました。この会報に同封の葉書をぜひご返送ください。名簿に関する質問は、フリーダイヤル0088-22-3301(内線506)にご連絡ください。同窓会からの問い合わせは基本的に郵便により行います。名簿は2002年2月に発送の予定です。その後次の名簿作成(50周年)までこちらから問い合わせをする事はありません。十分お気をつけください。事務局では住所や氏名の変更を随時受け付けます。FAX、葉書でご連絡ください。
 皆さんの周囲で、この会報が届かない同窓生にも連絡していただきますよう、ご協力よろしくお願いいたします。


コーラス部 胡内 美貴子

 現在コーラス部は、再結成されて6年になります。そして、女声合唱だった我が部は、顧問の小林先生念願の混声合唱として昨年から活動を行っています。
 コーラス部では、オリジナルの合唱曲だけでなく、宗教曲や歌謡曲、はたまたミュージカルのナンバーまで、実にさまざまな歌をハモっています。また、コンクールに出場したり、樫葉祭や県の音楽会で歌ったり、自分たちで企画してコンサートを開いたりしています。ここ2年ほどは、壱分幼稚園で公演もしました。
 そして今年一番のイベントといえば、コーラス部が県の代表として、8月に行われた第24回全国高等学校総合文化祭に出場したことでしょう。今年は静岡県で行われたのですが、合唱部門が行われたホールは、日本で一番大きなクラシックホールといわれる浜松アクトシティホールでした。心に残るすばらしい経験ができました。
 その全総文のほんの10日ほど前、コーラス部の1年生が突然事故で亡くなりました。彼女は静岡に行くことをとても楽しみにしていたそうです。全員で全国の舞台に立ちたかったです。
 現在はそれぞれの思いを胸に、第4回のコンサートを計画しています。3月31日が公演なので、読まれる頃には終わっているでしょうが、生駒高校らしいハーモニーを目指してがんばりたいと思っています。
 今後とも、生駒高校コーラス部をよろしくお願いいたします。