令和元年度第1学期終業式を迎えて 令和元年7月19日(金)

 令和元年度、1学期の終業式を迎えました。高円高校と高等養護学校高円分教室は、これまで別々に始業式や終業式を行ってきましたが、初めて同じ時間、同じ空間で行います。
 みなさんは、「共生社会」という言葉を聞いたことがありますか。
 「共生社会」とは、「誰もが相互に人格と個性を尊重しあいながら、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会」のことを言います。
 高円高校は、高等養護学校と共に、共生社会の実現に向けて、両校の生徒がお互いに経験を広め、社会性を養い、多様性を尊重する心を育むことを目指して、平成28年4月から、両校が共に同じ校舎で学び、交流及び共同学習を行ってきました。
 両校の生徒の皆さんは、卒業後はともに同じ社会で生きていきます。実社会への準備段階ともいえる高等学校の中で、共に学ぶ時間を共有できることはとても大切です。お互いに、自然に支え合い、認め合う力が育ち、あるがまま、正々堂々と生きていくことができると考えます。
 これからも、チーム高円として、仲間同士、共に学んでいきたいと思います。

 さて、三者懇談が終わりました。担任の先生から今回の成績のこと、夏期休業中の過ごし方、将来の目標設定についてなど、様々な話が合ったことでしょう。納得のゆく成績を修めた人、不甲斐ない結果に終わった人、様々だろうと思います。いずれにしても、改めて、しっかりと1学期を振り返ってみてはどうでしょうか。
 四月の入学式や始業式で、三つのことをお話しました。学校は学びの場だ、学校は小さな社会だ、学校は楽しいところだ  ということです。

・あなたはしっかりと学校で学びましたか。勉強だけでなく、部活動などと両立できましたか。
・あなたは自らを律する精神をもっていますか。正しい判断力をもち、責任を持って行動できましたか。
・あなたは将来に明確な志を持っていますか。目標を高く掲げ、実現に向かって懸命に努力しましたか。
・あなたは学校という集団の中で、自己を見つめ、他者を理解し、よりよい学校をよりよい社会を作ろうと行動できましたか。
・あなたは学校に自ら参画し、参加する姿勢をもてましたか。
・あなたは己の弱さを克服できていますか。

 もしこれらが満足できる水準に達していないなら、大いに反省しなければなりません。「時は得難く、失い易し」なのです。砂時計の砂は、皆さんの指の間から、止まることなく流れ落ちている、ということを忘れてはなりません。限られた時間の中で、精一杯取り組んでいただきたいのです。
 今、この時を節目として、自分を振り返り、初心に返って頑張ろうという気持ちになっていることと思います。私が皆さんに切に願うのは、その「志」を持続させて欲しいということです。

 進路ガイドブックの巻頭の校長挨拶として、自分を見つめ、将来を思い描き、進路を考える際に「4つのC」を大切にしてほしいと書きました。
 Chance(チャンス)機会をつかみ生かす
 Choice(チョイス)様々な情報の中からやる気をもって主体的に選択する
 Challenge(チャレンジ)目標をもって自分の可能性を信じて挑戦する
 Change(チェンジ)自分をよりよくするために変える
 この夏休みに、とりわけ、日頃できないことなど、様々なことに「Challenge」してほしいと思います。

 3年生の多くのみなさんは部活動を引退し、自分の大きな夢の実現に向け、次のステップへの準備をしていることと思います。1・2年生のみなさんは、生徒会、部活動等の中心となって、取り組んでいることと思います。高円祭への準備や、部活動の公式戦、コンクールのための練習など一人一人持てる力を出し切って頑張ってほしいと思います。
 2学期始業式で、一人一人、一皮むけ、たくましさを身に付け、元気な挨拶、笑顔いっぱいで登校してくれることを祈念しています。