探究のとりくみ

Q 「探究」とは何ですか?
  • A  本校では、第1学年で週3時間、「探究」を学習します。「探究」とは、生徒の皆さんが主人公となり、問題を発見し、課題を設定し、調査・検証し、発表することを通して、課題を解決していく力、生きる力を身につけことを目的にしています。平成8年度から本校独自の学習としてスタートしました。生徒個々の興味、関心をもとに、生徒自身が考え、判断し、表現し、学習する場として、入学者には『福祉と共生』・『やまと学』・『海外事情』・『環境』・『芸術・文化』・『教育基礎』の6分野を設定しています。そして、入学者の希望調査に基づいて、「探究」の分野ごとに第1学年のクラス編成を行っています。
Q 「探究」の学習とは、どんなことをするのですか?
  • A  『福祉と共生』・『やまと学』・『海外事情』・『環境』・『芸術文化』・『教育基礎』の6分野に共通するのは、まず教室内で先生の講義を中心としてその分野に関する基礎的・基本的な知識を習得し、その上でグループに分かれて研究テーマを決め、学校内外での調査・研究活動(フィールドワーク)や体験学習などを行うという、生徒の皆さん自身が中心となって学習することを重視している点です。そして、各コースごとに研究発表会・ディベート(討論会)・インタビューなどを実施し、自分の意見をいかにまとめ、いかに他人に伝えるかといった表現力も養います。3学期には、各クラスやグループ毎に調査・研究・創作した成果をレポートにまとめ、最終発表会を行います。
私にとっての「探究」とは?(生徒の感想から)

福祉と共生

  • 自分たちの調べたいことを調べて「本当の勉強」だと思った。先生から教えられたことをただ知るだけというのではな
    く、将来これから生きていくのに役立つ学習だと思う。
  • 本を読むだけではわからないことが体験を通して学べたので興味をもてた。
  • 男女間の差別など全然知らないことばかりでした。 今まで男女の共生問題について特に考えたことはなかったけれ
    ど考えるようになりました。
  • アンケート調査に行ったり、発表原稿や資料を作ったりして、友達との関係が強く結びついたかなあと思いました。助
    け合って一つのものを作り上げることができました。
  • 日ごろ忘れがちな考え方や、気づかないことが、この授業のたびに思い出せるので、よい機会が持てたと思う。
     

や ま と 学

  • 調べて、発表方法を考えて…と段階を踏んでいくうちに楽しくなってきた。
  • 自分たちで調べ、考え、行動しなければ、前に進まない。
  • 生徒どうしで授業を作り、評価しあうことが、次の機会において、よりよい中味に結びつけることができた。
  • 班で協力して活動するという経験ができた。だから、責任感をもって取り組むことができた。
  • 自分の意見だけでなく、他の人の意見も聞き、それについて意義を言ってみたりして、まとめていく グループ活動の
    大切さや、全然わからなかったものを自分で調べて、自分のものにする苦労をこの教科で学びました。
  • ふだん何気なく通り過ぎていた高田の町や今井町を実際に歩き、その歴史を改めて知ることができた。
     

海 外 事 情

  • 普段読まない本を読むことができ、読んでいくうち に何かを発見するのが楽しかった。
  • 遠くて近い国と感じていた国が、この科目でたいへん身近な存在だと感じるようになった。
  • 暑い、開発が遅れているというイメージがあった国が、調べていくと躍動感にあふれ、パワーのある国だと感じるよう
    になった。
  • (発表について)聞いている人を退屈させず、わかりやすい文章を作るのが大変だった。でもこの教科を通して表現す
    る力は少し身についたと思う。
  • 最も印象に残ったことは、発表もそうだけど、旅行計画の作成です。作って調べていくうちに本当に旅行 しているよう
    な気分になりました。実際に行くわけでもないのに、真剣に調べることができ、本当に行きたくなりました。
     

環  境

  • もっと環境について知りたくなったし、自分が少しでも地球にやさしくなれた気がする。
  • 水質調査や、土の実験、紫外線の実験を行ったのが楽しかった。
  • ディベートはいい経験になって、自分の考えをまとめることができた。
  • 調べていくと、いかに私たちの生活に関わる問題が多いかを痛感した。
  • 徹底的に調べてやっとわかる、ということがわかった。そしてその達成感はすがすがしいものだった。
  • 私たちが中心になれる点がこの教科の特徴です。この教科は高田高校にしかないので誇りに思います。


芸術・文化

  • 人形浄瑠璃という自分にとって未体験の、古典的な伝統文化に触れられたのは貴重な体験だった。もっと多くの人
    たちに発表を見てもらいたかった。
  • 三味線や、太夫の語りなど、最初は本当にこんなことができるのかどうか不安だったが、みんなが自分の得意な分
    野や興味のある分野を分担して取り組んだので、立派なものができたと思う。
  • 浄瑠璃の台本は、古典の文体でかかれているので、訳するのが大変だったが、古典の学習にも興味がわいた。最
    初に紙芝居のような形で発表したので、全体の話の流れがわかってよかった。
  • 舞台装置を作ったり、現地調査に行ったりして貴重な体験ができたと思う。
  • 文化祭での人形劇は、クラスが一つになって取り組めて団結力が高まったと思う。
  • 保育所訪問をして人形劇をした経験は、幼い子どもたちの純粋な心に感動した。自分たちにもこんな時代があった
    のだと思うと、忘れていたものを取り戻したような気がした。
     

教 育 基 礎

  • 教育の奥深さを知った。先生の仕事内容はふだん先生の様子からだけではわからないことが多いことを知った。
  • 授業を聞くだけではなく、実際にいろいろなことを体験して学ぶことが多かった。県立教育研究所では奈良県で行わ
    れている実際の教育や、教育に関する様々な問題を学べたのでよかった。
  • 2年生と模擬裁判を行ったが、本物の判事や弁護士、検事の方が来られて、非常に楽しく裁判員制度について学習
    できた。将来小学生たちに裁判について教えるとき役立つと思った。
  • 近くの児童館で乳幼児とのふれあい体験をした。保育士の先生が準備してくださった色ごまを一緒に作ったり して楽
    しい時間を過ごした。また、保護者の方から子育ての大変さと喜びを教えていただいた。
  • 曽爾高原での野外活動はクラスの多くの人とコミュニケーションをとるいい機会になった。また、校長先生をはじめとし
    て大学の先生方から受けた講義は興味深かった。