5月9日(金)、高校2・3年生の希望者を対象に、京都大学大学院人間・環境学研究科総合人間学部から、外国人特別研究員のChiara Rita Napolitano(ナポリターノ・キアラ・リタ)先生をお招きして、『文化の心:「本物」の体験を形成する京都と町家の役割』という演題で、サイエンスダイアログを実施しました。先生が高校生の頃に読んだ日本の小説がきっかけで、日本に興味を持ち、伝統文化に魅了されるようになった経緯と、京都や奈良の観光について講義を聴きました。古い木造の町家の有効利用や日本の伝統文化の魅力の発信などによる地域の活性化と同時に、観光地域におけるオーバーツーリズムの課題について考える時間となりました。観光は一種のソフトパワー(武力やお金ではなく、文化やアイデア、その魅力で他者に影響を与えること)であることから、統合科学での研究にも関連した学びができました。また質疑応答では、イタリア人のリタ先生が多言語を習得された方法に英語学習のヒントを得て、好奇心は視野を広げる第一歩であり、多様な人とのコミュニケーションが豊かな経験に結びつくこと、より良い社会の発展のために科学を活用していくことの大切さを学びました。