就任2年目にあたって

~リアル・ホウコク大使とともに~

 

本校は、2024 年 11 月に度創立 20 周年の記念式典を挙行し、創立 30 年に向けて新たな一歩を踏み出しました。式典は3年に一度の文化鑑賞会と併せる形で、なら 100 年会館をお借りして行い、生徒も参加するオペラ鑑賞ということで、公募した出演生徒たちはプロの俳優さんたちに交じって堂々の演技を見せてくれました。育友会長様、同窓会長様から御祝辞をいただき、大変印象に残る記念式典となりました。記念事業実行委員会の皆様には、これを機に体育館の緞帳を新調していただくなど、本校のために大変ご尽力いただきました。心より御礼申し上げます。

さて、創立から 21 年目に入り順風満帆のスタートを切ったと申し上げたいところですが、これまで当たり前と思っていたことがそうではなくなったという現実を突きつけられています。当たり前と申し上げたのは、本校は創立以来、地域の人気校であったということです。本校は、昭和 40 年代後半の人口急増期に、第 5 新設高校として計画された斑鳩高校と第 12 新設高校として計画された片桐高校をそれぞれ前身とする統合校です。JR 大和路線沿線に県立高校がないことから、両校とも地元の積極的な誘致活動があり実現した学校だとうかがっています。その後、平成 10 年代以降は人口急減期に入るということで、斑鳩・片桐の両校が統合されて法隆寺国際高校として再出発しました。こうした経緯もあり、本校は大きく定員を割り込むこともなく、何か特別なことをしなくても人気校であると信じ込んでしまっていたように思います。

 急激な少子化と私立高校無償化などの社会情勢の変化は、この私たちの当たり前を吹き飛ばしてしまう威力がありました。しかし、その一方で本校の情報・魅力を積極的に発信できていたかという課題も見えてきました。

人気のある学校というのは、何よりも在校生がいきいきと活動できており、そのことがじわじわと伝わって、あの学校に行ってみたいなあと思ってもらえる学校だと考えます。そのことを踏まえて、一学期の始業式でも入学式でも式辞の中で、生徒諸君に対し充実した高校生活を送ってください、そしてそのことを本校のマスコットである「ホウコク大使」のリアル版として、外部にも発信してほしいということをお願いしました。

 リアル・ホウコク大使が、奈良県内で縦横無尽に活躍できるよう環境を整えさせていただくことが私の使命だと考え、今年度は学校経営に邁進いたします。

 今後とも温かくお見守りいただき、本校の活動にご理解・ご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2025 年5月1日

奈良県立法隆寺国際高等学校校 長    小 橋  康 之