日本国憲法、教育基本法および学校教育法に基づき、聴覚に障害のある幼児、児童および生徒に対し、その障害の程度と心身の発達に応じて、普通教育ならびに専門教育を行うとともに、社会の変化に主体的に対応できる心豊かな人間の成育、ならびに自ら学ぶ意欲と思考力、判断力、表現力などの育成を目指す。


教育方針

  1. 人間形成の基本となる確かな学力の充実と、豊かな情操、及びたくましい体力を養い、自信をもって民主的な社会生活を営む『生き力』を備えた人間を育成する。
  2. 正しい判断力と強い意志を養い、自主的・創造的な生活態度や実践力のある人間の育成に努める。
  3. 健康の保持増進や安全の確保に留意し、健全な心身の成長・発達を図る。
  4. 生命の尊厳と人権尊重の理念に徹し、なかまとの連帯を大切にして、差別や偏見を許さない人間を育成する。
  5. 家庭や医療機関等との連携を密にしつつ、早期教育をより充実して、一人一人の子どもの言語力の向上を図る。
  6. 障害の状態および特性等に応じた指導法を工夫するとともに、重複障害児に対する教育の充実を図る。
  7. 常に一人一人の子どもの能力・特性を正しくとらえ、個性の伸長を図るとともに、社会参加と自立を目指し、進路の保障に努める。
  8. 時と場を適切に生かした計画的な交流教育を推進する。

 各学部の目標
━━━早期教育部

  1. 乳幼児の実態を的確に把握し、よりよい発達を促すために指導・助言する。
  2. 遊びや生活経験を通して気持ちを通い合わせ、親子関係が深まるよう支援する。
  3. 聴覚・視覚など多様な感覚の活用を促し、コミュニケーションする意欲を育てる。
  4. 子どもの成長に学び、育児について話し合える場を保護者に提供する。
  5. 関係機関との連携を図り、情報提供する。

 
━━━幼稚部

  1. 社会生活を営むために必要な基本的な生活習慣や態度を育て、健全な心身の基礎を培う。
  2. 幼児の主体的な活動を通して共感しあえる人間関係を育み、自主性や協同する態度、主体的な言語活動の育成に努める。
  3. 一人一人の障害の状態や発達の程度にあわせた適切な手段を用いることで、 コミュニケーションの基礎的な感覚を育てるとともに、視覚、聴覚、触覚などの感覚を総合的に活用する能力の育成に努める。
  4. 自然や身近な事象への興味や関心を育み、豊かな心情と創造性を養う。
  5. 関係機関との連携を図り、家庭への情報提供に努める。

 
━━━小学部

  1. 児童の発達と障害の実態に即しつつ、言語能力の向上を目指すとともに、豊かなものの見方や考え方、感じ方を育て、基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせる。
  2. 主体的な学習を促すとともに、体験的な活動を重視して、自ら学ぶ意欲と態度を育てる。
  3. 豊かな生活体験を通して、社会性と個性の伸長に努める。
  4. 運動やゲームに親しみ、健康でたくましい心身を育てる。
  5. 聴覚障害を正しく理解し、障害を前向きに受け止めようとする基礎的な態度を培う。

 
━━━中学部

  1. 一人一人の生徒の実態を的確に把握して、基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせる。
  2. 社会の一員として生きる力と物事を正しく判断できる自主的・実践的な態度を育てる。
  3. 自学自習の態度や習慣を養い、自主性の向上と個性を生かす指導に努める。
  4. 健康な心身の発達をめざし、体力の向上を図る。
  5. 自己の障害を正しく認識し、他者への思いやりや豊かな情操を育てる。

 
━━━高等部

  1. 社会人として自立できるように教養を高め、上級学校につながる学力の向上や専門的な知識・技能の習得に努める。
  2. 社会性を伸ばし、豊かな情操を養い、自信と希望を持って明るく生きる意志を育てる。
  3. 心身の発達に即した体力の向上を図り、現在および将来の健康と安全・生活についての基礎的能力を養う。