令和元年度 

第1回 化学部会

日時 令和元年7月9日(火)

場所 奈良女子大学附中等教育学校 化学実験室

参加者 20名

 

(1)研究発表

「繊維の判別実験」奈良女子大学附属中等教育学校 松浦 紀之

  • 吸湿性や酸や塩基に対する強さ、染まりやすさ、燃え方などを比較することによって布の種類を調べる実験を参加者で行った。布は綿、毛、絹、レーヨン、ナイロン、ポリエステルを使用した。

 

「糖の判別実験」奈良女子大学附属中等教育学校 松浦 紀之

  • 7種類の糖類(グルコース、フルクトース、アラビノース、スクロース、マルトース、ラクトース、デンプン)の水溶液を、フェーリング反応、バーフォード反応、セリワノフ反応、ヨウ素デンプン反応を用いて判別する方法を紹介した。

 

「電子レンジによる還元」奈良高等学校 金田 義亮

  • ルツボに孔雀石1粒を入れ木炭で覆い電子レンジで加熱すると、ルツボ内は1000℃以上の高温になり孔雀石は還元され銅が得られる。電子メロディーで電気伝導性を確認し、紙ヤスリで磨いて光沢を確かめる演示実験を紹介した。

 

「塩化コバルトを使ったルシャトリエの原理」 奈良高等学校 小川 香

  • 塩化コバルトは無水塩では青色であるが水分を含むと赤色に変化する。この反応は次のような可逆反応である。[CoCl4]2-+6H2O ⇄ [Co(H2O)6]2++4Cl- 水に溶かしたピンク色の塩化コバルト水溶液に、紫色になるまでアセトンを加えて調製した溶液を用い実験を行った。温度を変える、塩酸、エタノール、硝酸銀水溶液を少量加えることで、それぞれ色が 青 ⇄ ピンク と変化する。実験結果からル・シャトリエの原理が確認できることを紹介した。 
 
 

第2回 化学部会

日時 令和元年12月8日(木)

場所 畝傍高等学校 化学実験室

参加者 18名

 

(1)研究発表

「触媒を用いた過酸化水素の分解反応における酸化還元による理解」畝傍高等学校 前田 祐作

  • 過酸化水素が酸素と水に分解される反応において塩化鉄(Ⅲ)は触媒としてはたらくといわれている。この反応の仕組みについて探究し、鉄、塩素、臭素、ヨウ素の各イオンの反応性について実験を通して反応の仕組みを解説した。

 

「シリカゲルを用いたエチレンの生成」 畝傍高等学校 石谷 純一

  • エタノールからエチレンを合成するには濃硫酸や十酸化四リンなどの触媒をもちいて脱水反応を行うが、濃硫酸の代わりにシリカゲルを用いてエチレンを合成し、エチレンが発生したことを実験を通して確認した。

 

「消炎剤から消炎剤」「サリチル酸のエステル化」 畝傍高等学校 竹内 巧

  • 消炎剤であるアスピリン(アセチルサリチル酸)をけん化し、サリチル酸を合成した後、それをエステル化し同じく消炎剤であるサリチル酸メチルを合成した。続いて、サリチル酸を無水酢酸でアセチル化する反応とサリチル酸とメタノールをエステル化する反応を参加者の実験で行った。

 

「金属樹をラミネートする」奈良高等学校 小川 香

  • ろ紙に磨いた亜鉛片を置き、硫酸銅水溶液を数滴垂らしラミネートすると翌日きれいな銅樹が見られる。他に亜鉛片と硝酸鉛の組み合わせも参加者全員で実験し、お土産にしてもらった。

 

 

 平成30年度

第1回 化学部会

日時 平成30年7月4日(水)

場所 奈良高等学校 化学実験室

参加者 20名

 

(1)研究発表

「演示実験 赤ワインを使った蒸留」 奈良朱雀高校 藤田 絵美

  • リービッヒ冷却器を用いず、試験管とL字管付きゴム管を用いた簡単な装置で蒸留を行う演示実験を紹介していただいた。分離には赤ワインを使い、蒸留後は色が無色になっていることから視覚的に分かりやすい実験であった。蒸留によりエタノールが得られたことを確認するための方法を参加者で紹介し合った。

 

「サルトン系色素を用いた溶液中のタンパク質の定量分析」の紹介 奈良女子大学付属中等教育学校 松浦 紀之

  • タンパク質からなる繊維の絹と羊毛をサルトン系色素で染色すると、異なる色に染め分けできる。この現象を応用して溶液中のタンパク質の定量分析を行う方法を紹介していただいた。

 

「演示実験 黄リンを作る」 奈良高校 古谷 昌広

  • 赤リンを試験管に取りガスバーナーで加熱すると黄リンに変化する。この様子を真っ暗な部屋で観察すると燐光が見える。黄リンは毒性が強いので、取り扱い方法や後始末の方法まで詳しく説明していただいた。

 

「生徒研究 炎の色の並び方」の紹介 奈良高校 小川 香

  • 化学部の生徒の課題研究を紹介した。2種類の金属塩を混合して炎色反応を観察すると、炎の中に2色を同時に観察することができる。2種類の組み合わせを変え実験を行うと、炎の色の並び方に規則性があることが分かった。
  • その順番は炎の上からCu > Ca > Sr > Ba > Li > K の順番に並んでおり、それは各元素の融点、及び塩化物の格子エネルギーの値の順番と一致していることがわかった。

 

第2回 化学部会

日時 平成30年12月10日(月)

場所 畝傍高等学校 化学実験室

参加者 21名

 

(1)研究発表

「演示実験 さらし粉に硫酸を加えると塩素が発生する?」 畝傍高校 前田 祐作

  • 塩素の発生方法としてさらし粉に塩酸を加えることは知られているが、硫酸を加えると塩素が発生するのかを演示実験で確認した。定期考査での生徒の解答から実験を思いついたというエピソードも交えて実験の方法や反応の仕組みを教えていただいた。

 

「演示実験 三重点の観察」 奈良高校 古谷 昌広

  • シクロヘキサンを用いて簡単に三重点を観察する実験を紹介していただいた。シクロヘキサンを入れた丸底フラスコを氷で冷やしながらアスピレーターで吸引するとシクロヘキサンは沸騰すると同時に液表面が凍り始める。

 

「ISEF(世界大会)日本代表研究を普段の授業に取り入れる!?」 奈良女子大学付属中等教育学校 松浦 紀之

  • 「銅箔の色調変化の研究」(第58 回日本学生科学賞)を銅箔の代わりに、ホームセンターで販売されている銅箔テープを利用した実験の提案をしていただいた。
  • 「チューブ内水素燃焼炎の移動速度の研究」(JSEC2014)塩ビチューブを用いた水素の燃焼実験は多く紹介されているが、水素:酸素:二酸化炭素=2:1:2の体積比で混合し、透明塩ビチューブに注入し点火するとゆっくり燃焼する様子が観察できる。当日は消灯した実験室で教室の端から端まである長い塩ビチューブを用いて燃焼実験を実演していただいた。

 

「生徒実験 エタノールのヨードホルム反応を確実に反応させるには」 奈良高校 小川 香

  • 生徒実験でヨードホルム反応を行うとエタノールだけ反応が出ない。福岡県立小倉高校の研究発表を参考に、エタノールのヨードホルム反応が起こる条件を探った。エタノール及びヨウ素ヨウ化カリウム水溶液の温度を50 ℃から60 ℃に温め、水酸化ナトリウム水溶液を滴定しながら加えるとヨードホルムの沈殿が確実に生成することが分かった。

 

 

 平成29年度

第1回 化学部会

日時 平成29年7月11日(火)

場所 奈良高等学校 化学実験室

参加者 18名

 

(1)研究発表

要旨はこちらをご覧下さい 

「生徒実験 陽イオン分析をスピードアップ」 奈良高校 教諭 有馬 一頼

  • 生徒実験で行う「金属の陽イオン分析」をスピードアップするための方法を紹介してもらった。生成した沈殿をろ過をせず、遠心分離器を用いて分離することにより実験時間が大幅に短縮できる。また、出る廃液も非常に少なかった。

 

「アボガドロ定数の測定(生徒実験)」の紹介 奈良女子大学付属中等教育学校 教諭 松浦 紀之

  • 結晶構造のわかっている金属の質量と体積の測定によりアボガドロ定数を求める実験や、塩の結晶の劈開性を利用して直方体結晶を作製し、これを用いてアボガドロ定数を求める二つの実験の紹介。

 

「スライムで電池を燃料つくる」 奈良高校 教諭 小川 香

  • PVAの洗濯のりを四ホウ酸ナトリウムの飽和溶液と混合するとスライムができる。スライムは四ホウ酸ナトリウムを用いているので弱塩基性であるため、炭素電極で電気分解をすると陽極に酸素、陰極に水素が発生しスライムの中にとどまる。炭素電極に電子メロディーを接続すると音楽が流れ、燃料電池ができていることが確認できる。

 

「コロイドの透析実験における水酸化鉄(Ⅲ)について」 奈良高校 実習助手 井上 智恵子  教諭 小川 香

  • 水酸化鉄(Ⅲ)コロイド溶液をビスキングチューブを用いて透析を行うと、かなりの確率でFe3+がチューブの外に出てくる。これを防ぐために水酸化鉄(Ⅲ)コロイドをつくる際、塩化鉄(Ⅲ)水溶液の濃度を薄くする方法の提案。

 

第2回 化学部会

日時 平成29年12月11日(月)

場所 奈良県立教育研究所 化学実験室

参加 18名

 

(1)研究発表

「MRI・UV・X線について使い方や見方を解説」 一条高校 教諭 吉川 直和

  • 吉川先生が10年以上にわたって奈良女子大学で勉強された内容について解説していただいた。また、吉川先生が化学雑誌等に発表された数々の論文テーマについても紹介していただいた。

 

「スマートフォン用ゲームソフトmolmol」の紹介 一条高校 教諭 犬伏 雅史

  • 物質量を楽しく学ぶためのゲームソフトを開発された。「molmol」が誕生するまでのエピソードや「molmol」の使い方を紹介していただいた。実際にスマートフォンでゲームを行った。

 

「生徒実験反応速度」奈良高校 教諭 金田 義亮

  • 反応速度の実験をヨウ素酸カリウム水溶液と亜硫酸水素ナトリウムとデンプンの混合溶液を用い、溶液の温度を変えたとき、亜硫酸水素ナトリウム水溶液の濃度を変えたときの反応時間を測定した。ヨウ素が生成するとデンプンが青紫色に変色する様子がおもしろく、生徒も喜びそうな実験である。また、反応時間の逆数と温度、濃度の関係をグラフに書き、反応速度と温度の関係、反応速度と濃度の関係を知ることができる。

 

 

 平成28年度

第1回 化学部会

日時 平成28年7月8日(金)

場所 奈良高等学校 化学実験室

参加者 19名

 

(1)研究発表

「発泡スチロール球で正四面体構造の分子モデルを作る」 奈良高校 教諭 金田 義亮

  • 大きさの違う発泡スチロール球を使って簡単に正四面体構造を作る方法を紹介してもらい、各参加者が作成した。

 

ゾウさんの歯磨き」 高田高校 教諭 鹿島 慎一

  • 過酸化水素水に高濃度のヨウ化カリウム水溶液を加えると酸素が勢いよく発生する。台所用洗剤を少し加えてこの実験を行うと、大量の泡が発生する。この実験は米村でんじろう氏がテレビ等で紹介していたものであるが反応の仕組みが明らかにされておらず、化学部会の場で討論し今後の課題となった。

 

「体心立方格子・面心立方格子のミニモデルを作る」 奈良高校 教諭 小川 香

  • 体心立方格子と面心立方格子が簡単に作れるキッドを紹介し、各参加者が作成した。

 「トマトジュースを使った臭素付加」 奈良高校 教諭 小川 香

  • トマトジュースに臭素を滴下するとその量によって赤いトマトジュースが紫→藍→青→緑→黄→橙と変化する。これはトマトジュースに含まれるリコペンの11個の共役二重結合が臭素付加により次々と切れることによって起こる色の変化を見ることができる。

    

 

第2回 化学部会

日時 平成28年12月8日(木)

場所 教育研究所 化学実験室

参加者 13名出席

 

(1)研究発表

 「イオン交換樹脂を使った生徒実験」 平城高校 教諭 福田 康人

  • 廃棄する陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂をそれぞれ塩酸・水酸化ナトリウム水溶液を用いて再生した。さらに、それらを用いて陽イオンや陰イオンを分離し、それに伴う色の変化を観察した。

 

「酸・塩基(身近な物質を用いた演示実験)」 奈良高校 教諭 小谷 友理香

  • メスシリンダーに入れた純水にBTB溶液を少量入れ緑色を示すことを確認した後、ドライアイスを投入する。たちまち、溶液は黄色に変化する。そこへ水酸化ナトリウム水溶液を入れると青色に変化する。ドライアイスが溶けていくと再び、青→緑→黄と色が変化するのを観察することが出来る。
  • 紫芋パウダーを水で溶かし、指示薬として使う実験を紹介。試験管に1mol/Lの塩酸1mLと水に溶かした紅芋色素9mLを混合する。そこから1mL取り出し別の試験管に移す。水9mLを加えよく混ぜる。同様の操作を繰り返すごとに10希釈される。1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液1mLと水に溶かした紅芋色素9mLを混合する。塩酸と同様に10倍希釈を繰り返す。写真2のようにpHが酸性、中性、塩基性と変化すると紫芋の色素は赤、紫、青、緑、黄と変化していく。紫キャベツの色素を用いた同様の実験は多く紹介されているが、紫芋パウダーから水で色素を抽出できることや、乾燥パウダーなので保存に便利なことから紫キャベツより取り扱いやすい。