令和3年度

第1回 物理部会 

日時 令和3年12月10日(月) 14:00~16:00

場所 奈良高等学校 物理実験室

参加者 6名

 

内容

理化学会全体の事業概況を含めた情報共有に続き、下記についての発表と意見交換を実施した

(1)「物理問題対処時における作図の意義と限界について」

  奈良高等学校 教諭 仲野 純章

  • 文字情報として示された物体の物理的状況から物体に作用する摩擦力を導出させる問題を題材に、生徒が示す作図の状況と解答成否との関係性について事例紹介した。また、当事例を踏まえ、広く引用されている物理問題対処時の過程(図1:Heller, Keith, & Anderson, American Journal of Physics, 60(7), 1992, 627–636.)について議論した。 

(2)「物理授業に活かせる身近な教材の紹介」

 奈良高等学校 教諭 坂下 泰沼

  • 力学分野から原子分野までの幅広い分野にわたって、物理授業に活かせる簡便かつ有用な教材をトピックス的に多数紹介した。それぞれの教材やそれを用いた指導方法等について意見交換をしながら考えを深めた。(力学・熱力学・コンデンサー・赤外線・磁界・光電効果・電磁誘導 分野)
  • 日々の授業における指導上の苦労や迷いについても情報交換した。

     

    令和2年度

     第1回 物理部会 

    日時 令和2年12月10日(木) 14時~17時

    場所 平城高等学校 物理実験室

    参加者 12名

     

    内容

    (1)「テキスト型データの分析について」

     奈良高等学校 教諭 仲野 純章

    • 生徒が書いたレポートや振り返りシートの文章を分析するテキストマイニングについて、小規模データの質的データ分析手法のSCAT(Steps for Cording and Theorization)とテキスト型データの計量的な分析のためのフリーソフトウェアKH Coderについて具体的な例を挙げて、分析の仕方をわかりやすく解説いただきました。
    • 参考文献 大谷尚 感性工学 Vol.10 No.3 pp.155-160 福士元春 医学教育 Vol.42 No.2 

     

    (2)「新型コロナウイルスについて」、「実験・観察の紹介」

     NPO法人やましろきっづサイエンス 理事長 佐々木 和也  

     京都府立農芸高等学校 教諭 田中 良興

    • 「やましろきっづサイエンス」の設立趣意と活動内容について、実験の演示も行いながら紹介していただきました。子ども達に不足していると考えられる実際の五感を通した感情を伴った体験を中心とした科学実験教室を開催されています。コロナ禍の中、さまざまに対策を講じながら参加数200人規模の科学イベントを令和2年も実施されています。

     

    (3)「ESD副読本と学習プログラムの開発」および授業の展開

     平城高等学校 校長 森田 好博

    • SDGs達成のための教育(ESD)の学習プログラムについてワークシート形式の冊子「南極・北極から地球の未来を考える」を用いて、実際の実験器具を提示しながら紹介いただきました。また、平城高校教育コースでの「ゾムツール」を用いた教育実践から石けん水による実験を紹介いただきました。
    • 冊子入手先 日本極地研究振興会 TEL 042-512-5357 FAX 042-512-5358 E-mail info@kyokuchi.or.jp

     

     (4)教材や授業についての情報交換

    • コロナ禍のため、対面による授業時間が例年より少なくなり、多くの学校で苦心しながら物理・化学の指導を進めている状況でした。GIGAスクール構想などが進むなかで、これからの物理・化学のより効果的な指導方法を考えましょう。
     
      
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 令和元年度

 第1回 物理部会 

日時 令和元年7月5日(金)14時00分~16時30分

場所 畝傍高等学校 物理実験室

参加者 6名

 

内容
(1)研究発表

①新学習指導要領「理数探究」の実践事例について 青翔高等学校 教諭 松山 吉秀

  • 極太ストローを使った光の反射実験
  • 作図と観察を繰り返しながら、PDCAサイクルを繰り返し、探究をすすめる内容の紹介
  • 100円ショップで購入した鏡6枚を用いた光の反射教材(巨大万華鏡)の紹介 

 

(2)情報交換
  • 教材や授業についての情報交換会 
 
 

第2回 物理部会 (理数科教員指導方法研究会)

日時 令和元年12月10日(火) 14時00分~16時30分

場所 平城高等学校 物理実験室

参加者 18名

 

内容
(1)研究発表

①「2次元の定常波」 奈良高等学校 教諭 大川 佳亮

  • 波の分野で学習する定常波では、1次元の定常波についてのみの学習であるが、2次元での定常波がどのような状態になるか、振動の様子をクラドニ図形を用いて観察した。

 

②「電気化学反応を利用したローレンツ力可視化教材―汎用性・簡便性を重視した新規手法の開発と実践―」

 奈良高等学校 教諭 仲野 純章 

  • 磁界中での電気化学反応に伴う溶液流を利用したローレンツ力可視化教材として、汎用性・簡便性に優れた新規手法を開発した。発表では、食塩水、アルミ電極、1.5V乾電池を用いて、実践事例も交えながらその概要を紹介した。

 

③「ものづくり教材の紹介」 平城ニュータウン楽しい理科実験研究会代表 馬場 二夫

  • 「ペットボトルから繊維をつくる」実験の紹介
  • 「人工イクラをつくる」 実験の紹介
 
(2)情報交換
  • 教材や授業についての情報交換会 
 

 

 平成30年度

第1回 物理部会 

日時 平成30年12月7日(金) 14時00分~16時30分

場所 東大寺学園中・高等学校 物理実験室

参加者 16名

 

内容
(1)研究発表

①「相互誘導の応用実験」製作実習  東大寺学園中高等学校 教諭 萬處 展正

  • 「いきいき物理」の内容を参考に、萬處先生が物理現象の探究として改良し、実践されている相互誘導に関する生徒実験である。ラジカセのイヤホン端子から信号を拾い、教室いっぱいに線を使って大きなループを巻く。釘に約1mのエナメル線を巻き、イヤホンに接続する。イヤホンからは、予想以上の大きな音が聞こえた。身近な材料をもとに装置を自作し、相互誘導現象を探究していくもので、工作は容易で、短時間で誰にでもできる。生徒の豊かな発想が生み出され、自分の考えを確認していく方式で、磁場ベクトルの足し合わせのイメージが明確に理解され、実験で確認できる。1時間の授業で工作と探究活動が行える。興味深いのは、教室いっぱいに張った線を自由に曲げて形を変えられるところである。各校でも実践できると考える。
  • セラミックイヤホンの入手先:楽天市場・DreamSound 長谷川電気(480 円)

 

②「電流(微小電流)・単振り子の等時性の検証」  渡部 優輝(株式会社内田洋行)

  • ペンで描いた線が導線となり回路の学習ができる最新器具の紹介。ホワイト板上に電極、LED、モーター、電池、検流計を磁石でくっつけることができ、これらをペンで結ぶと回路が形成される。描いた線の太さで、流れやすさが異なることがよくわかる。コンデンサーの充電も可能である。
  • 簡単に長さが変えられる振り子の紹介。短時間で2個並べることができ、振り子の等時性を示すことができる。
  • プレートの活用の紹介(意見交流用)。これも、安価で探究活動の意見交流に使える。

 

(2)情報交換
  • 銀を含むインクについて(吉川)
  • 音の実験の取り組みについて(富井)
  • 実験プリントについて(上西)
  • 振り子の課題研究について(大津輪)
  • 新テストに向けて、考えを表現する力を育てる授業について(小柳)
  • 中学理科物理分野の指導について(西田)
  • 物理指導における質点の認識について(仲野)
  • 自己インダクタンスの実験について(山白)
  • 偏光を用いた立体視の実験の紹介(石本)
  • 砂山形成の実験について(松山)
  • 古い実験器具の扱いについて(中川)
  • 部会参加と研修について(奥田)

 

(3)自主サークル紹介
  • 奈良県物理授業研究会 連絡先(萬處)mandokoro@phy.sakura.ne.jp
  • 奈良物理サークル 連絡先(坂下) 奈良高校 TEL 0742-23-2855

 

 

 平成29年度

第1回 物理部会

日時 平成29年7月6日(木) 

場所 奈良県立畝傍高等学校 物理実験室

 

内容  
(1)研究発表

①「気柱における反射波の位相について」 橿原高等学校 教諭 石本 昇

②「ジュエリーカットしたガラス玉を使った光の屈折実験」 青翔高等学校 教諭 松山 吉秀

 

(2)情報交換

①授業実践および授業での素材について

  • 「水深による水流量の違いについて」(竹内)
  • 「電子線滅菌」(萬處)
  • 「開口端での反射」(萬)
  • 「シェパードトーン」(福田)
  • 「リコーダー(100 円)を用いた共鳴」(福田)
  • 「浮力についてのモデル実験」(川床)
  • 「浮力と台ばかりのめもり」(松山)

 

 

第2回 物理部会

日時 平成29年12月8日(金) 

場所 奈良県立平城高等学校 物理実験室

 

内容
(1)実践発表

①「探究活動を意識した教科学習等での取組」 奈良高等学校 教諭 仲野 純章

②「熱分野の実験について」 橿原高等学校 教諭 石本 昇

 

(2)情報交換

①授業実践および授業での素材の紹介について

  • 「ヒートパイプについて」(萬處)
  • 「RC交流回路やLC交流回路とオシロスコープ」(萬處)
  • 「光の単元での物理と数学の融合・・公開授業より」(守本)
  • 「ホットケーキミックスで電気パン」(雪岡)
  • 「回折格子による分光器の製作」(雪岡)
  • 「原子の範囲の指導について」(中川)
  • 「日本物理学会 Jrセッションについて」(西田)

 

 

 平成28年度

第1回 物理部会

日時 平成28年8月24日(水)

場所 奈良県立青翔高等学校 地学実験室

参加者 7名

 

内容 
(1) 公開授業

「スーパーものづくり」ロボットの製作 2年3組40名 (西田)

  • 共立電子のロボットキットとマイクロソフト社のビジュアルベーシックを用いたロボット制作。生徒は、様々なデザインのロボットを製作し、プレゼンテーションを行った。
 
(2) 情報交換

「速度計測実験器『ビースピ』の測定特性について」(石本)

  • 「ビースピ」を10個連ねて金属球の自由落下速度を測定し、落下距離と速度から重力加速度を求めた。その結果、ビースピには、適切な測定位置があることがわかった。

「リモコンからの信号について」(石本)

  • リモコンの信号をAMラジオで受信できることがわかった。リモコンの信号は、赤外線と電波である。ピースピでの測定

「円筒磁石を用いた磁石どうしの衝突実験」(松山)

  • 円筒形磁石を固定し、他の磁石を衝突(非接触)させると様々な運動が観察できる。運動量保存や仕事とエネルギーの関係が示される。

 

第2回 物理部会

日時 平成28年12月9日(金)

場所 奈良県立青翔高等学校 理科総合実験室

参加者 6名

 

内容 
(1)実習

「ロボット操作とプログラム」 (西田)

  • 共立電子のロボットキットとマイクロソフト 社のビジュアルベーシックを用いたロボット の操作とプログラミングについて実習を行いました。

 

(2) 情報交換

「ガラスと水の屈折率測定実験」(萬處)

  • レーザー光源・・ウチダの「3in1レーザーポインター」(このポインターのもつ、光線が横長に広がる特性を用います) 直方体ガラスや水槽に入れた水 にレーザー光をあてて屈折における角度から屈折率を求めます。 短時間で、多くのデータが得られます。

「物理課題研究の取り組みについて紹介」 (竹内)

  • テーマ「髪の毛の太さを測る」 生徒のレポートを、紹介いただきました。生徒は、レーザー光による単スリッ トの干渉による方法や、くさび型空気層による干渉など、様々な方法で実験を行います。課題研究により、生徒の意欲が高まっているとの報告でした。

「バンデグラーフ起電器の使い方」 (松山)

  • メンテンスについて

「振動モーターの振動数について」(萬處)

「釣り糸を伝わる波について」(萬處)

  • 上記の2つの課題研究実践テーマについて紹介していただきました。詳しくは、奈良県高等学校理化学会のWebサイトをご覧下さい。http://www.e-net.nara.jp/kyouka/