奈良高校創立100周年記念事業 中庭整備 羅針盤ワークショップ

 令和5年11月1日(水)、奈良県立奈良高等学校は創立100年を迎えます。寶相華会・育友会・学校が組織する奈良高等学校創立100周年記念事業実行委員会が、記念式典(令和6年11月)や中庭整備・記念誌の編纂などの創立100周年記念事業を行ってまいります。

 記念事業の一つ中庭整備は、本校の卒業生である居場英則さん(昭和60年卒)の設計によるもので、令和5年8月から約半年をかけて整備を行います。

 新しい中庭『新・竪儀の庭(仮称)』は、二つの焦点を持つ楕円形を採用、みんなが集うフロアはアテネの学堂をモチーフに「対話」を通して「真の知」を共有する姿勢を、周囲を四季折々に百の草木が咲き誇り「豊かな個性」と全体の調和を体現します。楕円の焦点にはプラトンとアリストテレス、もう一方の焦点には、新たな百年の歩みを進める指針として羅針盤が置かれます。

 この羅針盤は、ワークショップを開催して設計者の居場さんと生徒がともにアイデアを出し合い、デザインと石材を決めていきます。ワークショップは11月末までに4回開催される予定です。

第1回羅針盤ワークショップ [令和5年10月6日(金)]

 10月6日(金)に第1回ワークショップはオリエンテーションとして開催し、生徒18名が参加しました。

 生徒は設計者の居場英則さんとともに、工事中の中庭に立ち、羅針盤予定設置場所や大きさ(直径3㍍の円形)を確認しました。その後、居場さんから中庭設計のコンセプトや羅針盤作りの条件などの説明を受けました。また、50年前に法蓮学舎に『プラトンとアリストテレス像』が建立された趣旨も伝えられました。

 ワークショップに参加した生徒は、「長く残るものに関われるのは感慨深い。」「先輩たちから引き継いだものを次に引き継ぐことができるように取り組みたい。」などの感想を述べていました。

  

  

 中庭整備、羅針盤制作ワークショップのことが、新聞にも掲載されました。

 ※ 奈良新聞 令和5年10月25日(水)1面【「原風景」新たに・中庭整備】

 ※ 読売新聞 令和5年11月15日(水)奈良版【中庭整備 思い出一つに】

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第2回羅針盤ワークショップ [令和5年10月27日(金)]

 10月27日(金)に第2回ワークショップを開催しました。

 第1回目のワークショップで受けた説明を基に、生徒が個々に考案した個性あふれる羅針盤のデザインが提案されました。生徒は互いに感想や意見を出し合い、設計者の居場さんからも、羅針盤のもつ意味や実際に制作者の立場から助言をいただきました。

 たくさんの作品の中から3つの作品に絞り、次回のワークショップまでに各自がブラッシュアップした案を考えてくることになりました。

  

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第3回羅針盤ワークショップ [令和5年11月10日(金)]

 11月10日(金)に第3回ワークショップを開催しました。

 第2回ワークショップで絞られた3つの作品について、生徒がブラッシュアップしてきた作品をそれぞれ提示し、作品のコンセプトや変更した内容、デザインへの思いなどについて説明をしました。

 生徒は互いに感想や質問、意見を出し合い活発な意見交換が行われました。その後、参加している先生方からも作品や生徒の取組について感想や思いが述べられ、設計者の居場さんからもそれぞれの作品に対する講評や助言をしていただきました。3つの作品はどれも生徒の熱い思いがこもっており、生徒からは意見を受けて、さらによくするための具体的な提案も行われました。

 当初は、第3回ワークショップでデザインを一つに決定する予定でしたが、3つの作品ともさらに精度を上げたものを第4回ワークショップで提案し、最終決定することになりました。

  

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第4回羅針盤ワークショップ  羅針盤デザイン決定! [令和5年11月24日(金)] 

 11月24日(金)に第4回ワークショップを開催しました。

 はじめに、皆で渡り廊下に立って、その場から見える羅針盤をイメージしました。

 その後会議室で、さらに精度を上げて作品を制作してきた生徒それぞれが、作品のテーマやデザインへの思いなどについてプレゼンを行いました。参加生徒全員が一押しの作品に投票をし、中庭の設計者である居場さんとともに一つのデザインに絞っていきました。

  

 最初は参加生徒が個々に案を持ち寄るところからスタートしました。ワークショップの回を重ねるごとに作品が絞られ、チームを作って作品の精度を上げていきました。

 最終選考に残った3作品とも、ワークショップの回を重ねるごとに、素晴らしい作品に進化してきました。

 最終的に、2年生の森川夢可さんがデザインし、大西雪乃さん・前田悠里花さんと3人で意見をまとめて完成させたデザインが選ばれました。 

<中庭に設置したときのイメージ>

<作品コンセプト>

 中心に羅針盤を配置し、周りは菅原道真が愛したとされる梅の花や、ペン、鉛筆といったモチーフで、学問への志を表現した。蕾紋は庭の植物の成長を願うとともに、東洋と西洋の融合を表している。また、羅針盤と庭にひかれた白い道をつなぎ、未来へ進む奈高生へのエールを込めた。

 

 ワークショップに参加した生徒の皆さん、それぞれ切磋琢磨しながら成長してくれたと思います。ありがとう。素敵な中庭の完成が待ち遠しいです。

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羅針盤デザイン採用者への表彰式 [令和5年12月22日(金)]

 令和5年12月22日(金)、第2学期終業式に引き続き、羅針盤デザインを全校生徒に披露しました。

 デザインを考案した3名の生徒、2年 森川夢可さん、大西雪乃さん、前田悠里花さんから全校生徒に向けて、デザインのコンセプトについて説明を行いました。

  

 デザインのコンセプト

 この羅針盤デザインは、奈良高校らしさ、そしてこの先の未来へのエールを込めて制作しました。
 まず、全体的なモチーフは梅の花です。梅は学問の神様と呼ばれる菅原道真が愛したものであり、縁起物として扱われています。また、今の元号である「令和」の出典も万葉集の梅花の歌ということで、時代にも即していると考えました。中庭全体との調和としても、羅針盤は庭の中の春の位置にあり、春の訪れを告げる梅の花がぴったりではないかと考え、取り入れました。
 次に、羅針盤としてのデザインとして、真ん中のパーツに典型的な羅針盤をそのまま使いました。周りを囲む模様は雷紋です。雷は植物を成長させる力があるということで、前述した梅や、庭全体の植物に関連させてみました。この模様は日本や中国などアジアの印象が強いですが、古代ギリシャにも存在しており、アテネの学堂にも似た模様が採用されています。針はペンと鉛筆のモチーフで表現しました。アリストテレスとプラトンに注目してほしいということで、像に向かう矢印として配置しました。
 ここまで受け継がれてきた100年の歴史を受け止め、これらのモチーフを使って表現しています。そしてここからの未来へ繋がるメッセージとして、庭に引かれた白い道を引き込んでいます。この道は、奈良高校の生徒たちがそれぞれの進路を歩んだとしても、楕円の焦点で反射し、アリストテレスとプラトン、すなわち母校へ帰って来るという意味が込められています。それを羅針盤にも引き込むことで、この地から進んでいく生徒たちの未来へのエールを表現しました。

 表彰式

 デザインを考案した3名の生徒に対して、創立100周年記念事業実行委員長から表彰状が授与(校長代読)されました。

  

 

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