小学部の紹介

学部教育目標

子どもたちの小さな成長の芽が、やがては大きな節を乗り越えるたくましい力となり、生きること、
学ぶこと、生命の大切さを知り、豊かな実を結んでくれることを願い、具体的な目標を次のとおりとする。

具体的目標

○ 生活のリズムを確立し、健康なからだをつくる。
○ 身辺処理などができ、よりよい生活習慣を身につける。
○ 豊かな感情を育て、確かな認識を獲得していく力をつける。
○ 自分の要求や意思・感情を表現する力をつける。
○ いろいろな集団での生活を経験し、人とのかかわりを広げる。

教育課程

①時間割

② 生活指導(学級集団)
◎おはようひろば・あそび

小学部では、朝登校し着替え・排泄後、個々の課題や学習、身体へのアプローチ
等に取り組んでいる。その後外に出て、思いっきり身体を動かし、体も心も目覚め
させるように「おはよう広場」の時間を設けている。月曜から金曜まで1時間目を
帯でとり、一日のスタートとして大切にしている時間である。
子どもたちが自分の好きなあそびを存分にすることで、次の授業にスムーズに入れ
るようにしていく。一人一人の実態によって情緒の安定を図り、自立活動的な内容
も配慮する。
また、健康なからだづくりや健康観察の大切な時間としても位置付けていく。
さらに、学級のつながり、あるいは他学級の子とのつながりも大切にするよう、
教員は適切なさそいかけをし、無理のない範囲で同じ場面で遊ばせるようにするこ
とも心掛けていく。
昼休みは、あそびの発見や拡大を大切にしながら、より子ども一人一人が楽しく
遊べるように配慮していく。

◎朝の会・帰りの会

「朝の会」「帰りの会」は、一日の出発点としめくくりである。歌やあそび、呼名、
あいさつ等を通じて学級の子どもどうし、あるいは教員と子どもとの心のつながり
を深め広げる。また、学級の実態に応じて、その日一日の見通しがもてるよう予定
を話したり、それぞれの子どもの、その日のがんばりを評価する。当番活動も取り
入れ、一人一人の課題を明らかにしながら取り組む。

◎給食

好き嫌いをなくし、食事をとる力をつけさせるとともに、マナーを身につけ楽し
い給食の時間となるようにする。また、生活力となる配膳や片付けのしごとを、で
きる限り子どもの力でさせる。食前の手洗いや食後の歯みがき指導も含め、健康を
増進させる取組とする。

③ 教科等の指導
◎ことば・かず(グループ別学習)(週2~4時間))

[ねらい]
一人一人の発達段階、障害の特性や子どもの示す興味・関心などの実態を踏まえ、
課題別のグループで学習を行う。各グループは1年生のみ、2~3年生、4~6年
生と、異年齢の集団で編制している。ことば・かず、あるいはその基礎となるあそ
び、からだ、対人関係・情緒の安定を考慮して学習を行う。

◎ 体育(低学年・週1時間 高学年・週2時間)

・基本的に低学年・高学年別に実施。ただし、運動会練習やプール学習は、低・高一緒
に行う。また、単元によっては、発達課題別の集団に分かれて行う場合もある。

◎ からだ(低学年・週1時間)

・体育よりも少人数で活動し、”自分の体を知る”ことに重点をおいた授業。いろいろな姿勢での動きを通じて、ボディーイメージを高め、体の使い方・動かし方を知ったり、教師や友だちとのふれあいを通じて、体をほぐし、快を感じたりすることをねらいとして取り組んでいる。

◎ 音楽(低学年・週2時間)

・表現や鑑賞の活動を通して、音楽についての興味や関心を持ち、その美しさや楽しさ
を味わうとともに、自ら表現する力をつける。

◎音楽(高学年・週3時間)

・表現と鑑賞の活動を通して関わり合い、主体的、意欲的に取り組むことができる。
・さまざまな音や音楽、また人との関わりを広げ、音楽の楽しさや喜びを味わう。
・曲調やリズムに親しみ、音楽の豊かさや美しさを感じ取る。

◎て(低学年・週1時間)

・手指を使い、いろいろな素材に触れたり、感触を知ったりする。
・身近な道具を使って、作ったり描いたりする。
・イメージをもつための見本や、自分や友だちが作った作品などを見て、関心をよせたり楽しんだりする。

◎ 図工(高学年・週2時間)

・手指をしっかり使い、作る・描くなどの活動をする。
・身近な材料や道具の使い方がわかる。
・イメージをもって描いたり作ったりする。
・描く、作る、鑑賞することを通して情操を豊かにする。

◎なかよし(低学年・週2時間)

遊びを通して
・教員や友だちとのかかわりを広げたり、やりとりを深めたりする。
・「~したい」気持ちを持ち、主体的に活動する機会を増やす。
・順番、勝ち負け、役割などの簡単なきまりにふれる。
・使った遊具を教員と一緒に、または自分でかたづける。

◎ときめきタイム(高学年・週2時間)

・身近な自然(生き物や植物など)や社会(地域の人々とのふれあい、公共機関の利用)などへの
興味や関心をひろげ、生活を楽しむ力を豊かにする。
・人との関わりを豊かにする中で、働く土台となる力や生活を楽しむ力を養う。

◎ 学級生活(3年生・週2時間)

・自然に親しみ、自然を利用して遊んだり学習したりする。
・いろいろなことを経験する中で、活動に興味を持ち自分からやってみようとい
う気持ちを育てる。
・活動の流れに見通しを持ち、ひとりでできることを増やす。
・身のまわりの日常生活に必要な力をつける。
・高学年に向けて授業や取り組みを体験する。

◎ いってみよう!やってみよう!(高学年・週2時間)

・畑・調理・木工などの活動を通して、いろいろな作業や道具の使い方を知り、経験を広げる。
・みんなと分担・協力して、準備や後片付けをする。
・道具や器具を安全に取り扱うことに慣れる。

◎ 学級会(高学年・週2時間)

・行事の内容を知り、見通しをもつ。また、事後学習を通して体験したことを深める。
・高学年集団や学年及び学級の友だちとかかわりをもち、仲間意識を高める。
・個々の実態に応じ、自立的な生活をするための力をつける。

④自立活動

一人一人の子どもが自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を自ら改善・克服するた
めの知識・技能・態度及び習慣を身につけられるよう教育活動全体を通じて指導する。

⑤道徳及び特別活動

情緒の安定を図り、豊かな感情を持った人間に育てることを目的として、一人一人の子どもの実
態に応じた実践を重視する。
また、小学部行事を中心として児童と教員が一体となり、楽しさと喜びを味わい、活発な集団活
動の中で、さまざまな体験や生活経験ができるように配慮する。

〈学部集会〉

各学期2回を目安に(学期はじまりと学期おわり)小学部全員による学部集会を実施する。内容
を決定するにあたっては、子どもの実態を踏まえながら、[見る活動]と「身体を動かす活動」と「季
節的な内容」が含まれるよう考慮する。子どもたちが、主体的に参加し、より楽しめるように、「身
体を動かす活動」では、見通しの持ちやすい、簡単なゲーム性を含んだ内容を取り入れ、学年を超
えた多くの友だちや先生とふれ合い、経験を深め学習する交流の場となるように工夫する。

〈校外学習、遠足〉

学期1回程度、公共交通機関を利用したり、スクールバスに乗ったりして校外に出かけ、行動を
共にしながら、仲間意識の芽を育てる。また子どもたちの生活と直接関わりのある社会のしくみや
自然のようすにふれたり、公共施設を利用する中で、経験の積み重ねを図る。

〈高学年宿泊学習〉

家庭や学園を離れて、先生や友だちと宿泊学習に参加し、集団活動に慣れるとともに、自然の中
で楽しく遊んだり、みんなと協力しながら、日課にそって活動する。

〈交流及び共同学習〉

校区内の大淀緑ヶ丘小学校、さらに児童の居住地校との交流及び共同学習を児童の実態や課題に
即して進める。交流を通して、地域社会の友だちとつながりや経験を広げるとともに、日々の学習
の中で、培った力を異なった集団の中でも発揮する。

評価

  1. 児童一人一人の日常生活や授業等の様子を観察し、自立活動や日常生活、各教科等の観点から目標を設定し学習計画を立てる(個別の指導計画)。評価は毎学期毎に行い、目標を見直し、次の指導につなげていく。
  2. 児童の行動観察・記録に加えて、必要な諸検査を計画的に実施し、客観的な実態把握を行うことで、より適切な課題設定ができるようにする。
  3. 日々の連絡帳や、個人懇談等により、情報交換を密にし、学校と家庭(学園)で共通理解を図る。また、ケースによっては、支援会議をもって関係機関と連携を図る。