理科部
理科部です(2022)
メンバーは合わせて3年生8名、2年生4名、1年生2名で活動しています。それぞれが好きな実験や観察、栽培、飼育など行っています。
※現在、Webページの構成を変更しているところです。
最近のできごと
2023年3月
- SDGsQUESTみらい甲子園2022年度関西大会
- SDGsQUESTみらい甲子園2022年度関西大会で最優秀賞となりました(プロジェクトチームFlowersとして応募)。
アクションアイデア最優秀賞
2023年1月
- SDGsQUESTみらい甲子園2022年度関西大会
- SDGsQUESTみらい甲子園2022年度関西大会のファイナリストチーム(プロジェクトチームFlowersとして応募)に選ばれました。
2022年12月
- 10日(土)3倍体実生ヒガンバナ第2葉展開
- 第1葉ばかり伸び、なかなか展開してこなかった第2葉がようやく出てきました。
- 9日(金)ハウス食品工業株式会社より廃棄麻袋譲受
- 先日、ハウス食品工業株式会社の新聞広告やCMで紹介していただいた分です。SDGsプロジェクトの一環で、麻袋マルチや麻袋プランターとして利用を進めていきます。また福祉交流花壇でも活用していきます。農業クラブプロジェクトチームFlowersと一緒に進めています。
- 2日(金)梅乃宿酒造株式会社にて「農園芸における酒粕利用について」報告
- SDGsプロジェクトの一環で、酒粕を用いた渋柿の脱渋と酒粕の肥料化を進めています。研究成果を報告しました。農業科学科・施設園芸科の農業クラブ合同プロジェクトと共に進めています。
2022年11月
- 27日(日)奈良植物研究会「植物のスライドを楽しむ会」発表
- 「ヒガンバナの稔性と発芽について」と「ナラノヤエザクラの挿し木繁殖について」発表しました。専門の先生方から貴重なアドバイスを頂きました。
- 19日(土)20日(日)近畿SSHサイエンスフォーラム参加
- 19日(土)はオンラインで「ヒガンバナの稔性と発芽について」と「ナラノヤエザクラの挿し木繁殖について」発表を行いました。
- 20日(日)は奈良学園中学校高等学校に行き、「ミミズの観察・解剖」と「里山保全実習」に参加、そのあとフォーラムで他校生と環境保全について意見交換を行いました。
内容紹介(2022年10月まで)
・振動による発芽促進(テクノ愛2020全国大会奨励賞)
微振動を与えることにより、発芽が促進される種(しゅ)があることが分かってきました。現在は、振動の周波数 によって発芽勢がどのように変わるか、調べているところです。また栄養繁殖にも利用できないかどうか調べています。最下欄のナラノヤエザクラの挿し木も一部に微振動を与えています。
最初期の実験の様子
振動数を変化させ植物の種類ごとに発芽促進に最適な振動数を探っています。
・バタフライガーデンの普及(ボランティア・アワード2022全国大会出場)
西田原本駅の花壇に蝶が好む蜜を出す花を植えています。また近隣の幼稚園や小学校にもバタフライガーデンを広めています。明日香村で整備中の「ちょうちょランド」にも吸蜜植物の苗を提供しています。また西田原本駅の花壇の土壌改良には県内の製薬会社の協力でミミズ糞土を使い、廃棄物の有効活用についても研究しています。施設園芸科のWebページもご覧ください。西田原本駅の花壇は「福祉交流花壇」として地域の高齢者の健康増進にも役立つようにしています。
ブッドレアに来たツマグロヒョウモン
平野幼稚園のバタフライガーデン
西田原本駅のバタフライガーデンの説明表示
高校生ボランティアアワード2022全国大会
・奈良県絶滅危惧種ナガオカモノアラガイの生活史の解明
奈良県下最大級の繁殖地が敷地内にあり、そこで定期的に貝の数や大きさを調べています。また、飼育にも挑戦し、4月下旬、孵化に成功したところです。孵化してすぐの稚貝の撮影にも成功しています(日本初かも?)。今、世代交代が進み、稚貝が日に日に大きくなっているところです。また屋外ではヒメオカモノアラガイの稚貝もいるようで、その区別に困っています。ちなみにヒメオカモノアラガイは奈良県野生生物目録に載っていません。
孵化直後の稚貝(超レア!)
・奈良県におけるヒガンバナの稔性と発芽
同質3倍体であるヒガンバナは種子ができないといわれていますが、昨年、明日香村や橿原市等で採種に成功し、現在、発芽試験を行いました。
黒光りしているのが種子 手前が根(牽引根)
完成した鱗茎
コヒガンバナでない普通のヒガンバナでも発芽能力のある種子を希につけることが分かりました。かなり確率は低くなりますが、発芽し鱗茎まで形成するものも数株確認しています。今後は、親株の染色体の確認と花粉の観察を予定しています。また、8月下旬には比較用にコヒガンバナの自生地も訪問する予定です。
温度条件を変え、休眠していたヒガンバナの鱗茎から発根させることができました。染色体の観察の練習に使うつもりです。
2倍体のヒガンバナが生えているというある場所を訪問、地主の方に譲っていただきました(8月27日(土))。
この2倍体のヒガンバナとよく見られる3倍体のヒガンバナ、あと3倍体で生じた種子から発芽し育っているヒガンバナ、それぞれの染色体を比較したいと思っています。花粉も採取しました。
ヒガンバナの稔性と発芽、鱗茎形成についての中間報告のポスターを国営飛鳥歴史公園館で行っています。
10月10日に国営飛鳥歴史公園を訪ねました。
昨年の採種地のヒガンバナを観察してきました(9月25日)。
花柄が奇形の花茎や赤花の中に色の薄いものが混ざっていたりしました。色が薄い花は開花から時間が経っているのではなく、最初から色が薄くなっています。
↑花柄が奇形となっている花茎 ↑赤花に混ざって咲く色が薄い花
奈良教育大学石田研究室を訪問し、ヒガンバナの染色体の観察と撮影について教えていただきました(10月21日)。
コヒガンバナ(2倍体のヒガンバナ)の染色体です。
ヒガンバナの天敵?奈良県初?新発見?
新発見です。奈良県にコハクオナジマイマイ(国内外来種)がいることが分かりました。またヒガンバナの子房を好んで食べることも新発見です。ヒガンバナの種子の稔性と発芽について研究する上で困った存在となりそうです(10月10日撮影)。
コハクオナジマイマイは奈良県初記録の可能性が高いため、学会等で正式に報告する予定です。
・ナラノヤエザクラの挿し木繁殖に挑戦!
東大寺様から特別に許可をいただき、ナラノヤエザクラの緑枝を分けていただきました。ありがとうございました。挿し木できないといわれているナラノヤエザクラですが、ずっと考えていたあるアイデアを活かし、挿し木実験を始めています。
奈良教育大学の松井先生からご指導ご助言をいただきながら、穂木を採取しました。この角度からの大仏殿は一生見ることができないかもしれません。
穂木の調整でとった葉は記念に押し葉にすることにしました。托葉と葉柄の蜜腺が特徴的でした。
いよいよ天挿しで試験開始です。奇跡の発根を期待して…。植物成長調節剤の使い方を工夫しています。
なかなか厳しい結果です。生存率1/60…。枯死した挿し穂と何が違うのか調べています。微振動ありの試験区のみ生き残りました。
この生き残った1本ですが、7月末に3枚のうち2枚の葉が枯れてきました。そこで8月に入ってすぐ思い切って植え替えました。発根はしてなかったですが、大きなカルスが切り口にできていました。かなり大きいので枝を軽く引っ張るとまるで根が出ていると勘違いしてしまうぐらい抵抗がありました。植え替え時にもう一度、発根を促すため植物成長調節剤を使いました。
冷蔵処理した枝で管挿し、密閉挿しでの試験も始めました。また、照明付き恒温器を使い、温度一定で発根に挑戦します。多くはカビに覆われ枯死してしまいましたが、1本だけ発根、根らしきものを確認しています。その後、確認しましたが、根ではありませんでした。残念!
秋は挿し木には適さない時期ではありますが、東大寺様に再度、特別に許可をいただき、挿し穂の採集を行いました(9月24日)。
二度と入れないと思っていましたが、大仏殿の前も特別に許可をいただき、挿し穂の採集を行うことができました。
現在、天挿しで試験中です。
いにしえの ならのみやこの やえざくら きょうここのえに においぬるかな