式 辞

 ただいま、入学を許可いたしました321名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校への入学を心より歓迎いたします。保護者の皆様、お子様のご入学、おめでとうございます。
 皆さんは厳しい入学者選抜を見事に突破し、本日晴れて入学式を迎えられました。今、皆さんの胸中は、これから始まる高校生活への夢と希望でいっぱいのことと思います。本日の喜びは、皆さんのたゆまざる努力の成果であることは言うまでもありませんが、これまで熱心にご指導いただいた中学校の先生方や、皆さんの健康をいつも気遣いながら、辛抱強く支えてくださった保護者の優しい励ましのたまものであることを決して忘れてはいけません。このことをしっかりと胸に刻み、「感謝の気持ち」をもって高校生活を踏み出してください。

 昭和30年代半ば、戦後のベビーブームの世代の人たちが高校進学を控え、住宅地として発展していました当時の生駒町、現在の生駒市に「県立高校を」という地域の方々の熱い思いによって、本校の開校が決まりました。昭和38年、1963年4月10日、本校の開校が宣言され第1回の入学式が挙行されました。そして、本日、第60回の入学式を挙行することとなりました。創立60周年を迎える今年度は、「未来へつなごう 輝く60年の想い」をテーマとして、記念式典や事業などの取組を進めてまいりたいと考えております。
 本校の卒業生は2万人を超え、数多くの先輩方が、本校の校訓である「剛毅、敬愛、創造」を行動の指針とし、奈良県をはじめ日本全国だけでなく世界の各地、各界において社会の発展に多大な貢献をされていることは本校の誇りです。校訓の「剛毅」とは、本校の校章にもなっています、樫の木のように堅い意志をもち、困難に打ち勝ち、前進すること。「敬愛」とは、人権尊重の精神に徹し、自他への愛情に基づく人間関係を深めること。「創造」とは、自ら学び、考える力をつちかって、自己実現を目指し、社会に貢献すること。この校訓は、本校で学んだ人たちにとって共通の精神となるものです。本校の校歌や校章にも示されています樫の木は、とても丈夫で堅い木です。「決して途中で諦めたり、へこたれたりしない。最後の最後まで全力で頑張り抜く。」という樫の木の精神をしっかりと身に付け、「真面目に一生懸命頑張ることが格好いい。」という良き校風を受け継いでください。
 本校が60年の歴史の中で積み重ね、築いてきた伝統や校風を皆さんは受け継ぎ、そして今後入学する後輩たちに確実に伝えてもらいたいと思います。先輩たちが築いてこられた輝かしい歴史と伝統と、その誇りをしっかりと受け継ぎ、さらに発展させるように学習に、部活動に精進してください。

 今日から高校生となる皆さんには、まずは、本校での3年間をどのように過ごすのかという目標を定めてください。高校時代の3年間を有意義に過ごすためにも、自分自身がどうなりたいのか、何を身に付けたいのか、何を成し遂げたいのか、明確な目標を設定してください。
 しかし、目標を立てただけでは前に進むことはできません。「星の王子さま」で有名な作家サン・テグジュペリは、
「計画のない目標は、ただの願い事に過ぎない。」
と言っています。
 目標を立てても、何も努力をしないのでは、実現するはずはありません。目標が定まれば、その実現に向けて、高校3年間の計画を立てて取り組むことが大切です。
「目標を達成するには、全力で取り組む以外に方法はない。そこに近道はない。」
これはマイケル・ジョーダンの名言です。
 元バスケットボール選手で「バスケットボールの神様」と呼ばれたマイケル・ジョーダンでさえ、目標を達成するには、全力でやるしかないと言っています。
 本校には、「真面目に一生懸命頑張ることが格好いい。」という良き校風があります。目標を立て、その実現に向けての第一歩を今日から歩み始めてほしいと思います。
 皆さんが、3年後、本校を卒業するときに、3年間の高校生活を振り返り、充実した毎日であったと実感できるように、しっかりとした目標をもち、努力を続けてください。

 保護者の皆様、お子様が高校での3年間を充実したものとするためには、生徒自身の努力はもちろんですが、保護者の皆様と私たち教職員がともに協力し、支え合っていくことが何よりも大切と考えます。どうか、保護者の皆様方の力強いご支援、ご協力をたまわりますよう重ねてお願い申し上げます。

 本日の入学式は、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、規模を縮小し実施いたしました。本校としましても、感染の拡大防止に努めてまいりますが、新入生の皆さんには、どうか感染のリスクを避ける行動をお願いします。毎日の検温や手洗い、消毒を徹底し、感染防止をお願いします。

  最後に新入生の皆さん、3年後、「生駒高校に入学して本当に良かった。充実した高校生活を過ごすことができた。」と心から言えるように、日々の精進を期待します。本校の教職員は皆さんを全力で支援していくことを約束いたします。
新入生の皆さんが、今日の感激を忘れず、生駒高校で学ぶことに誇りをもって、健康で安全安心な、そして意義のある高校生活を送られることを祈念して、式辞といたします。

令和4年4月11日

奈良県立生駒高等学校
校長 八重 幸史