令和2年度の1学期が本日で終わります。4月から今日までの4か月間は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、皆さんの周りで明るい出来事は少なかったように思います。
 その中で、明るいニュースとしては、皆さんと同年代の将棋の藤井聡太七段が棋聖(きせい)戦を制し、史上最年少の17歳11か月でタイトルを手されたことを挙げることができます。
 将棋の世界では、勝敗がついた後に対戦した両者が一緒に対局をふり返って、勝因、敗因などを分析する「感想戦」というものがあります。藤井七段はその感想戦を大切にしています。藤井七段は、「感想戦は敗者のためにある」という言葉が好きだそうです。対局が終わった後、すぐに今の対局を振り返ることにより、勝因、敗因を分析し、次の対局につなげ、二度と同じ負け方をしないようにする、この繰り返しの中で力を高められたのだと思います。
 皆さんは、どうですか。定期考査や模擬試験が終わると、その結果を見て、今の学習を振り返り、良い点、改善すべき点の確認をしていますか。振り返ることで、前に進むことができます。
 1学期末の三者面談で、皆さんは1学期の成績を受け取っています。その成績を見て、この夏休みをどう過ごすのか、考えてください。この夏休みで自分自身をどう高めたいのか、夏休みの目標、ゴールをまず定めてください。そして、ゴールが決まれば、そこにたどり着くためには、どうすれば良いのか、具体的な学習内容を明確にし、計画を立てて取り組むことになります。どうか、この短い夏休みを有効に過ごすために、まずは、1学期の振り返りから始めてください。そして、計画を立ててください。
 その上で、毎日をどう過ごしたのかを皆さんが持っている「今未来手帳」に書き込んでいきましょう。夏休みの終わりには、こんなに頑張ったとわかるように記録を残してください。

 ところで、新型コロナウイルス感染症は、一旦は、5月末には収束に向かったのですが、最近、東京や大阪と言った大都市で増加傾向が著しく、本県においても日によっては10人を超える感染者が出るなど心配なところです。
 そこで、皆さんに必ずしてほしいことがあります。マスクの着用、手洗いを徹底してください。特に、公共交通機関の中では、暑いですがマスクを必ず着用してください。電車やバスに乗っているみんなが気持ちよく過ごすためです。また、自分自身の身を守るためにも、手洗いを必ずするようにしてください。新型コロナウイルスは目には見えません。十分に感染予防をしていても感染することもあります。しかし、現在は、治療薬も予防のためのワクチンもありません。どうか、皆さんができる予防策を確実に行いましょう。

 それでは、9月1日の2学期始業式では、この夏休みを有意義に過ごし、一回り成長した皆さんに会えることを楽しみにしています。皆さん、夏休みを実りのあるものにしてください。

                                                            校長 八重 幸史