皆さんこんにちは、校長の森田です。健康に留意し元気に過ごしていますか。新型コロナウイルス感染拡大防止への対応で皆さんの顔を見ながら話をすることができないのが残念で悲しくてなりません。このような形で令和元年度最後の式辞を述べることになろうとは夢にも思いませんでした。最後まで読んでくれれば幸いです。今回も多くの生徒諸君が賞状を授与されました。賞状をもらった人も残念ながら一歩及ばなかった人も多くの生駒高校生がそれぞれの場面で活躍し、結果を出してくれています。大変嬉しく思います。よく頑張ってくれました。全員揃った所で健闘を称えたかったです。卒業式予行の日に3年生の賞状伝達を行いましたが、12年間皆勤の生徒が1人、3年間皆勤の生徒が28人いました。合計29人、クラスあたり4人ほどが皆勤でした。健康にも恵まれて生駒高校をこよなく愛し、1日も欠席・遅刻・早退・欠課なしで充実した高校生活を送ってくれました。 令和元年度も、いよいよ残すところあと数日で終わろうとしています。去る3月1日には、3年生の先輩達が立派に巣立ってくれました。新型コロナウイルスへの対応で在校生が一人もいない、来賓の方もおられない中での式典となりましたが、さすがは生駒高校の皆さんの先輩達です。淋しい雰囲気を物ともせず胸を張り立派な態度で式典にのぞみ、とても厳粛で感動的な卒業証書授与式にしてくれました。立派な大人へと成長してくれ頼もしいかぎりでした。立派な態度に教職員全員が大いに誇りに感じているところです。また、17日には令和2年度入学者選抜試験の合格発表がありました。新しい年度に向けて、生駒高校も着実に歩みを進めています。さて、1年生の皆さんは、ちょうど1年前の自分と重なる想いがあるのではないでしょうか。いよいよ高校生となるという喜びと夢や希望に溢れていたことだと思います。4月になれば、新入生を迎え中堅学年である2年生になり、先輩となります。頼りがいのある良き先輩として新入生をしっかりとサポートし、生駒高校生らしい良き方向へと導いていく道標となってあげてください。2年生は、最高学年の3年生になり、学習、クラブ活動、学校行事の全てにおいて総仕上げの学年になります。自分自身を磨き、生駒高校の更なる発展に向け、先生方や後輩達と力を合わせ、あらゆることに全力で取り組んでもらいたいと思います。高校生活最後の締めくくりです。進路実現、卒業に向けて悔いの残らぬよう全力で取り組んでください。進路実現もクラブ活動の成果も1日でも早く取り掛かった人が有利になることは間違いありません。ところで、新型コロナウイルスへの対応で学校が臨時休業となり、いつもの活気に溢れた元気な声が全く聞こえない、しんと静まりかえった校舎を歩いている時に、ふと、アニメ「ドラえもん」の中に登場する「どくさいスイッチ」という秘密道具が頭に浮かびました。未来の独裁者が作らせた道具で、気に入らない人を瞬時に消すことが出来ます。のび太君は、この道具を使っていじめっ子や気に入らない人を次々に消していきました。そして、やけになって「みんな消えてしまえ。」と言ってしまった瞬間に誰も居なくなり、たった一人ぼっちになってしまいます。そして、その時になって初めて大変なことをしてしまったと青ざめてしまうのです。辺りがしんと静まりかえり、周りに誰もいない絶望と悲壮。そこにドラえもんが現れて元の世界に戻してくれる、というストーリーです。人混みに疲れたり、人付き合いが煩わしく面倒くさいと感じて、一人になりたいなあと思うことは誰にでもあります。ただ、いざ一人ぼっちになってしまうと話し相手もなく食べ物も着る物も得られず、どんなに頑張っても生きていくことはできません。最後に残るのは孤独と絶望だけ。実は、この道具、未来の独裁者が作らせた道具ではなく、我が儘で独裁的な人を懲らしめる為の道具であり、孤独の耐えがたい辛さを実感させるための道具だったのです。皆さんも臨時休業になって家に居なければならなくなり、生駒高校に行きたい、先生に会いたい、友達に会いたい、クラブがしたいと強く感じたのではないでしょうか。生徒のいない学校は学校ではありません。ただの廃墟です。ここで皆さんには人と人がお互いに助け合いながら、繋がっていくことの大切さを考えて欲しいと思います。人間関係が希薄な世の中と言われますが、自己中心的な考え方からくる、つまらないいじめやトラブルをなくし、相手の立場を尊重して仲良く共存しつつ、お互いに高め合えるような人になってください。 新年度が、皆さんや生駒高校にとって素晴らしい年度になることを心から願っています。引き続き、くれぐれも身体に気を付けて、元気に過ごしてください。式辞を終わります。