校長からのメッセージ
奈良県立生駒高等学校長からのメッセージ
Message from Principal of Ikoma Senior High School
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1学期終業式を終えて
1学期が終わりました。1学期の間、部活動をはじめとする様々な活動で多くの生徒が活躍してくれました。学校生活では、「朝の読書」旬間の間、ノーチャイムを続けました。チャイムが鳴らなくても混乱なく学校生活が送れていたのは、すばらしいことだと思います。
1年生は、この3ヶ月半で学校にも慣れて、進路実現を意識した取組にも積極的に参加する生徒が多くいました。夏休みにも大学のオープンキャンパスへの参加を計画してくれています。生駒高校生としての自覚も高まったのではないかと思います。
2年生は、長い時間をかけて計画した修学旅行を無事に終えてくれました。五島列島(福江島、小値賀島)と長崎を訪れるいうことで、私はとても意義深い修学旅行になったと考えています。
3年生は、様々な意味での「勝負の夏」をすでに始めてくれています。とりわけ、英単テストの合格者数の急増は目を見張るものがありました。この調子で、最後まで粘り強くがんばってほしいと思います。
様々な活動のなかで、自分で考え、次に何をしなければいけないかを判断している生徒の姿が見られました。大変うれしいことだと思います。一人でも多くの生徒が自分で考え、自ら動いていくということを続けていき、今以上に自主的な高校生活を過ごしてくれることを期待します。
終業式では、茂木健一郎さんの『脳が変わる生き方』という本について少し紹介しました。「はじめから○○が苦手な脳はありません。」とか「感動すると脳の働きは変わる。」とか「脳は他利的だ。誰かのために行ったことで喜ばれると、脳内で作られる化学物質が脳内を活発に巡り、脳が活性化する。」と茂木さんは言います。茂木さんが本に書いていることは本当かなと思っていました。しかし、あるテレビ番組で知ったのぶみさんが書いた『暴走族、絵本作家になる』という本を読みすすめると、「茂木さんはこのことを言っていたのか」と『脳が変わる生き方』に書かれていることがストンと胸に入ってきました。
のぶみさんは絵本作家です。彼は子どもの頃、いじめられたので強くなりたいと思い、なんと暴走族の総長になってしまったそうです。しかし、専門学校で出会った女の子に気に入られたい一心で、彼女が好きだといった絵本を毎日作り、読んでもらったそうです。その絵本を積み上げると床から天井に届くまでになったと、インタビューでは語っていました。それが今の職業につながるまで、出版社の編集部の人に丁寧にアポを取り、本を読んでもらって不採用でもお礼を言って・・・と、のぶみさんは今までしたことのない経験を積み重ね、「自分が成長する方法は、自分で考えるしかねえ!」とひたすら前進しました。NHKの「おかあさんといっしょ」のアニメーションで名前が知られるようになり、『ぼくとなべお』が出版されてベストセラーになったのはつかの間。売れない時期が続き焦る自分に、「焦らせていたのは自分だ。」「いい作品を作る前に、まず感謝だろう。大好きな絵本が描けて・・・」と言い聞かせるのぶみさん。新幹線が大好きな自分の子どものためにと、思って描いた絵本『しんかんくん、うちにくる』で再ブレイクしました。
私は、自分の子どもの成長に感動を覚えたのぶみさんの脳細胞は大きく揺れ動き、子どものためにという思いが彼の脳をさらに活性化して力が発揮できたのだろうと思います。そして、何より、「自分が成長する方法は、自分で考えるしかねえ!・・・進め!進め!進め!進め!答えは必ず自分の中にある!」と自分を信じる生き方が彼の成功につながっていると思います。
脳の働きが変わり、潜在的な力が目覚める機会は日常生活のなかにたくさんあります。生徒の皆さんには、自分を信じて、脳の働きが変わるチャンスを生かして前へ前へと進んでいってほしいと思います。