「校長室の窓から」 平成27年度 (窪西光範校長)

2月全校集会

  おはようございます。もうすぐ立春、暦の上では初を迎えるわけですが、まだまだ寒い日が続きます。インフルエンザなど、体に十分に気をつけていきたいものです。

 さて、前回私は与えられた命を大切にしてこうという趣旨の話をしました。

 今回は行動や言葉に表すことの大切さについて話をします。

 先日、県の教育長が用事があって本校にこられました。校長室に入られて開口一番、いい子たちやなという言葉をいただきました。車で校門を入ってこられるとき、自然に生徒たちが集まってきて校門をあけてくれて、本当にすがすがしい気持ちになったと言ってくれました。

 こうしたら相手が喜ぶと、思うこと、考えることと、行動の間には、大きな距離があります。

 よいと思うことを行動に表すということはとても大切なことです。

 私はできる限り昇降口で皆さんに朝挨拶したいと思って立っていますが。多くの人が気持ちのよい挨拶をしてくれます。もしもう少し希望を言えば、声に出すことです。

 行動とともに言葉で相手に伝えるということはとても大切なことです。

 朝自分の体の栓を抜くように、声を出して挨拶する。同様に感謝の気持ちをありがとうと声に出す。もし申し訳ないと思ったら、声に出して相手に伝わるように、すいませんと言う。

 相手に伝わるように、行動に表す、相手に伝わるように声に出すということは、人が人として関わる中でとても大切なことだと思います。

 挨拶も親切も伝わってこそ、親切であり、挨拶です。

 今日は行動に表して、声に出して、相手に自分の気持ちを伝えることの大切さを話しました。

 少し意識してこれから行動し、声に出してみてください。

 明るく元気に楽しく、このキャッチフレーズも、行動と声に出すことからはじまります。 


3学期始業式

  新年あけましておめでとうございます。新しい年が始まりました。昨日は二十四節気で小寒、つまり1年で一番寒い季節に入ったことになるのですが、暖かい日が続きました。

 そして、今年は干支で言うと「申年」です。聞くところによると申年には赤い色のものが流行るようですが、色といえば昨年から今年にかけて、黄色のウエアを着た本校サッカー部が全国の場で頑張ってくれました。バスの強行軍で応援に行ってくれたみんな、ご苦労様でした。また多くの皆さんもテレビの前で応援してくれていたと思います。私も2試合を現地で応援していたのですが、本当に懸命に精一杯のプレーで、多くの人に感動を与えてくれました。

 当然勝つつもりで応援していたのですが、下馬評では厳しい試合かもと思われていたようですが、PK戦を経て勝利を収め全国大会での1勝を手に入れてくれました。

 「物事はやってみないとわからない」私はこの言葉が好きで、これまでも何度か皆さんにも言ってきました。「物事はやってみないとわからない」サッカー部のみんなはこれを実践してくれました。しっかり情報を集め、しっかり準備して、そして、やってみる。「物事はやってみないとわからい」何事にもこのことを香芝高校のみんなで共有したいと思います。

 それと同時に、地域の人々や市役所の皆さん、県の教育委員会の方々、様々な形で支援し応援してくれました。もちろん本校の保護者や先生方も精一杯支援してくれました。このような人々の応援のお陰で、選手は試合に出場でき、多くのみんなが遠くまで応援に行くことができました。「物事は人の協力なしには成し遂げられないのです」「物事はやってみないとわからない」というあきらめない気持ち、そして、「物事は人の協力なしには成し遂げられない」ということを知って感謝する気持ち、このあきらめない気持ちと感謝する気持ちは、とても大事で、人が何かをやるときのパワーの源になります。

 みんなも各部もそれぞれ頑張っているわけですが、はじめからあきらめたり負けを覚悟していては何にも始まらない、そして物事は多くの人の協力なしにはできないということを、この機会に心においてほしいと思います。

 次に命の話をします。昨年は県内の高校で生徒が命を失うという大変残念な出来事がありました。詳しいことは分かりませんが、残念で悲しい出来事であったとしか今は言えません。

 皆さんの中にも身近な人の死に出会って、悲しくつらい思いをした人がいると思います。私も身近な人を亡くし、本当に人は死ぬんだと、呆然としたことがあります。人には必ず終わりがあります。限りがあって一度きりの人生です。だからこそ限りある命を精一杯生きる。
どうか命を大切に、逃げたいときつらいときは、時には少し逃げてもよい、私は逃げない、と立ち向かう強さはすばらしいものです。けれど、同時に逃げたいと思う気持ちもよくわかります。けれど最後は命を大切にする。人は死ぬからこそ限りがあるからこそ精一杯その時間を生きること。

 今日は、「物事はやってみないと分からない」そして、「物事は人の協力なしに成し遂げられない」ということ。そして、「限りある命を精一杯生きよう」という話をしました。

 今年度も残すところ3ヶ月。残りの3ヶ月がみんなにとって充実した、限られた時間を有効に使った3ヶ月となることを祈って、始業式の話を終わります。


平成27年度 あしたの原原稿

  「勉強する 学ぶ」ということ

 教科によって好き嫌いがあり、勉強すること自体、気持ちがのらない。こんな勉強がこれからの生活に役立つのかと思う。そんな気持ちが出てくることがあると思います。もちろん前向きに勉強に取り組んでいるときも、多くあると思いますが。

 なんのために勉強するのか、今回は「勉強する 学ぶ」ということについて、少し考えてみたいと思います。「勉強する」ことと「学ぶ」こととは、ニュアンスが異なるのですが、今回はとりあえず同様の意味として話を進めます。

 さて、すぐには役に立たないと思われる学びの大切さについて。アメリカの国家の中枢を担う人が多く出ている、ある大学では、芸術や専門外の一般教養がとても大切にされているといいます。「時代の変遷、科学の発達が激しい今の時代、すぐに役立つ学問はすぐに役立たない学問になる。それよりも次々に出てくる新たな発見や知識を吸収し応用できる力をつける方が大切と考えている。」幅広い人間性や教養は応用力の基盤となるということなのでしょうか。

 私は最先端の学問や国家の中枢を担う仕事になんか興味はないと思う人がいるかもしれませんが、私たちが、「勉強する 学ぶ」ということについて考えるときに、ヒントにはなるのではないかと私は思います。

 高校における学習の中には、日常生活において、または近い将来、役立つような学びもあれば、直接的には日常生活に役立ちそうにない学びもあります。

 少し説教くさくなりますが、すぐに役立つ学びとともにすぐには役立ちそうにない学び、言い換えると、幅広い学びを通して「教養」が培われ、人生において、物事を考えたり、決断したりする際に「底力」なるのです。

 とにかく目の前の勉強に打ち込む、一生懸命勉強に取り組む。その学びを通して「教養」が培われ、その人を足下から支えてくれるのではないでしょうか。

 今日の話は、ようは一生懸命勉強せよということかと思うかもしれません。そうです今こそ、一生懸命勉強してください。夏休みは絶好の学びの季節でもあります。

 目の前の勉強に真剣に懸命に取り組むことは、自分の身体の中に、見えない力を蓄えることなのです。


平成27年度 ふたかみ原稿

 「心の力」

 今回は、「心の力」ということについてお話ししたいと思います。

 さて、現代は大学に入学できたから大丈夫、会社に入ったから安泰という時代ではありません。一人一人が生き抜いていく力をつけていかなければならない時代であると言われています。

 生き抜いていく力をあえて分類すれば、学力や体力、困難にであっても耐えることができる精神力といろいろ考えられますが、一番根底にあり土台となり、最終的に頼りになるのは心のあり方、私流に言い換えれば心の力です。

 真面目に正直に物事に取り組み、人のことを考えることができる、そのような心のあり方をここでは心の力といいたいと思います。あの人は人を裏切らない、自分だけのことではなく人のことを考える。このように他人から思われる人ほど強い人はありません。

 もちろん学力や体力、精神力など様々な力を鍛え養っていかねばなりません。その上で最後に頼りになる力が心の力ではないでしょうか。この世の中は、人と人が関わり合うことで構成されています。生き抜いていく力の中で一番頼りなく当てになりそうにない心の力ですが、最後に頼りになる力が、このような真面目に正直に物事に取り組み、人のことを考えることができる心の力だと私は思っています。

 他者のことを考えて行動することができる、そんな人を、人はほってはおきません。学力を磨く、体力をつける、精神を鍛える、その際にこれらの力のベースになるのが心の力だと知っておくことはとても大事で、これからを生き抜いていく上で大切なことだと思うのです。本校の生徒の皆さんは、この心の力をしっかりともっている人がたくさんいます。この心の力を大切にし育みながら、本校での高校生活の中で学力や体力、精神力を培っていってほしいと思います。


平成27年度 1学期始業式あいさつ

  新しい年度が始まりました。皆さんにはこの365日を、正確にはさらに少ない日数ですが、有意義につかってほしいと思います。

 始業に当たって、皆さんにはこれまでも話してきたことですが、大切にしてもらいたいことを、改めて確認しておきたいと思います。

 一つは時間のこと、一つは目標のこと、一つは心のこと、一つはトライすることの大切さについてです。

 まず時間について。先ほどこれからの一年を365日という単位で皆さんに示しました。たった365日、けれど一人一人に平等に与えられた時間をどう使うかは、自分次第。時は戻らず、時は確実に減っていくもの。どうか大切に使ってください。私たちに、命は永遠には与えられていません。時間は平等で、けれど限られているということを、まずはしっかりと意識してください。

 限られたこの365日を大切に使っていくために、次は一つ目標を立てよということです。何となくスタートしてはいけません。何となく始めたものは何となく終わってしまいます。これだけはという自分の目標を一つ、あえて一つだけ立ててください。一つに限って、これだけはというものを目標として掲げることは、結果的に他のことにもよい影響を与えます。年度の初めに目標を一つだけ立てよという話でした。

 三つめは、もっとも互いに大切にしたいことです。昨年度、心の力という言葉を、何度か私は使いました。少しは覚えてくれている人がいるのではないかと期待しています。人のことを考えることができる。人のために動くことができる、それを心の力といいました。目に見えぬ心の力は、最後に我が身さえ助けるものです。人の世で最後に力を発揮するのは心の力です。このことを繰り返し皆さんに伝えたいと思います。

 四つめは、これも何度も言っていること。「物事はやってみないとわからない」ということ。是非ともトライする気持ちを大切にしてほしい。あなた方には、自分で気づかないパワーがきっとあります。「物事はやってみないとわからない」として、ぜひ自分の中のパワーを発掘してください。

 限られた時間を意識する。一つだけ目標を立てる。心の力を大切にする。自分の中に眠る力を信じてトライする。です。

 最後に、これもことあるごとに話しているつもりですが、自然災害はいつ起こるかわからないとして、家族での連絡方法などを話し合ってておきましょう。

 皆さんが「明るく 元気に 楽しく」有意義に一年を送ってくれることを願って、始業式の挨拶とします。